ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

産業競争力会議

 6日開かれた産業競争力会議の分科会では初めて雇用問題が話し合われた。委員から「労働移動の支援を重視すべきだ」「流動性を高めるための前向きな制度が必要」など、「労働力の流動化」を求める声が相次いだ。解雇規制についても「解雇が認められる場合の合理性を法律で明確にできないか」といった意見があった (朝日新聞 2013年03月07日16時54分)

産業競争力会議
議長:安倍晋三、議長代理:麻生太郎、副議長:甘利明菅義偉茂木敏充、議員:山本一太稲田朋美

 榊原定征東レ会長は、日本の産業競争力強化には、科学技術によるイノベーションの推進や製造業の国際競争力強化が重要との見解を示し、具体的には科学技術政策の推進に向け、各省の権限の枠を超えた総司令塔機能を強化することや政府の研究開発投資を「世界最高水準」に拡大することなどを求めていく考えを示した。
 製造業については、円高、高い法人実効税率、自由貿易協定の対応の遅れなど「六重苦」の早期解消が必要とし、環太平洋連携協定(TPP)に関しては「日本の経済・産業発展のためにも、アジア太平洋地域の成長を日本に取り込むためにも、交渉参加が大前提」と話した。そのうえで、安倍晋三首相が3月の早い時期に参加を決断することを期待していると述べた。(朝日新聞 2013年3月7日16時7分)

 もうメンバーを見ただけでなにを結論づけるのかは明確になっていて、なにもわざわざ金をかけて場を設けて彼らのいいたいことをいちいち「そうですか、ごもっとも」と議事に残すという無駄遣いをしなくても良さそうなものじゃないかと思うところだ。
 むしろ噴飯ものといっても良いかも知れないけれど、このメンバーの口によってこの国は国民という労働者をとことん絞り上げていく方向に行かなければなり立たないといわせしめるというわけだ。彼らなら平気で「正社員だっていつでも解雇できるようにしろ」というだろう。
 竹中へーぞーを筆頭にかれらは本気になって日本の労働者を追い詰め、払ってもいない法人税を下げろと主張することによって日本は良くなると思っているのかといったらまさかそんなことはないだろうと、普通の日本国民だったら思う、というよりは思いたくなるだろう。しかし、彼らは真剣にそういっているだろうから始末が悪い。
 東レの会長はこの記事の中でも

政府の賃上げ要請については「一部企業が呼応する動きもあるが、賃上げは企業個社の問題で、それぞれの企業が業績に応じて決めるもの」との見解を示した。

 と語っている。この動きの中で人の良い日本人の7割もがそれでもまだアベシンゾー内閣を支持するというのだから、二の句がつげない。
 「産業競争力会議」と同様に正社員解雇の方法を検討するべきだという意見が出ていると、朝日新聞が報じている内閣府の「規制改革会議」というのもある。
こちらのメンバーはこれ。

委員

 規制「改革」会議という名称は如何なものかという気がする。「産業競争力会議」と実に似たようなメンバーである。それにしても慶應義塾大学からみが大好きに見えるのは一体何事なのだろうか。
 政治というものはすべからく国民がどんな境遇に置かれることになるのかを見通してそれに対して対策をとっていくということがその存在の意味なのだろうと私は確信してきた。だから、私たちの日本国憲法というものがそもそもの発想が誰のもので、どんな人のどんな意見で造られたものが基礎になっているのか、というよりもこの国に暮らす独りひとりの国民のためにどんな思想が語られているのか、という点が重要だと思う。
 昔からこうだったから、それが良いという考え方ではなく、将来的に見通すことが最低限に必要なことだと思う。
 企業がいわゆるグローバル化社会の中にあっても生き残るために、国民全員が非正規労働者にならなくては、いつでもクビになる可能性を抱えた不安定な労働環境の中で働かなくてはならないのだとしたら、本当にそうであるのならば、私たちはグローバル化する社会の中に加わるべきではないのではないか。