ほぼ足りてまだ欲 その先

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日本鉄鋼業界中国へ環境保全技術を

 昨日の朝日新聞は第一面に「鉄鋼業界、中国へ環境技術 温室効果ガス抑制に一役」という記事を書いている。

 日本鉄鋼連盟は24日の運営委員会で正式に技術供与の方針を決め、近く中国側と交渉に入る。年内にも開くシンポジウムで広く技術を公開したうえで、希望する企業に対して個別に指導する。設備投資は原則として中国側で負担する。

 この記事の中で朝日も書いているが、日本の鉄鋼業界は環境保全技術にたいへんな設備投資を続けてきている。ほぼ現時点で実現できる最上の環境保全技術を稼働させているといって良いだろう。理論的には他国から買い取った技術でカバーしている部分もあるけれど、その実現についてはその範囲の広さは驚くほどである。それにはかつての多くの問題を作り出した過去もあるし、一度上手く動かなくなると周囲に莫大な影響を与える可能性を秘めているプラントである、ということもあるだろう。
 この記事の中で興味深いのは、「設備投資は原則として中国側で負担」という点である。鉄鋼業界は中国へ設備を売ってきた。「大地の子」の舞台を想い出してもらいたい。中国に対してほとんど持ち出しで技術を提供してきたのが日本の鉄鋼業界である。その挙げ句ブーメラン効果という言葉で表されるように中国に振り回されてきた。今は生産量が中国国内の需要量に追いつかず、瞬時のわが世の春を謳歌しているように見えるが、この後中国の生産量が追いついたら、このあだ花景気は終わるのではないのか。追いつくとしたらであるが。その中で中国が本当に自らの財源を元に生産量に直接結びつくわけでもない環境保全施設に注力するのだろうか。もう、昔の感覚しか持てない私にはなんだか眉唾だったりする。「”原則”として中国側で負担」というのがなんとなく・・ね?・・曖昧?