あのVANジャケットの石津謙介が死んだ。確か死んだ私のオヤジと同じ歳である。同じ岡山出身だが、あちらは私が高校生の頃に「これはトラック・ストライプというんです」というとんでもなく幅の広い紺や赤のストライプのボタンダウンシャツを着て現れた位のモダンじいさん。決して洒脱なもののいい方のできる人ではなかったという記憶があるが、自分の子供も含めた若い人たちに担がれ、彼らを引っ張り、良く商売をしたと思うが、驕れるもの久しからずを地でいったといえる企業だった。特に婦人画報で出していた（今でもあるが）MEN'S CLUBは当時のVANジャケット・ファッションのあたかも教科書であった。それにしても未だに私はVANジャケットのあのころの製品の質の高さは評価されて良いと思う。その後日本のおっさんトラッドファンを支えてきたNew YorkerやONWARD、KENTといったところにしてもあれだけの品質を支えるためにそうせざるをえないのか、それともその気になってしまったためなのか、コストパフォーマンスという点でもVANジャケットに勝てていないと私は思う。UNIQLOのシャツの中には時と場合によってオッと驚くようなシャツの質の良さがあって、時々その尾っぽを感じる時があったりする。しかもそれが2900円くらいだったりすると、一体全体他のメーカーはどんな努力をしているのだろうかと考えてしまう。あるいは相当な無理がされているのであろうか。
そういえばラジオ関東（現在のラジオニッポン）でVANジャケットが提供していたIVY CLUBという番組が懐かしい。メンバキーホルダーなんてものを入手して悦に入っていたことがついこの前のことのようである。ご冥福を祈る。石津謙介のOfficial Home Pageなんてものが存在する。→http://www.microkids.or.jp/ishizu/index.html
