ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

壊れた・・話は文化へ

 オーディオ・アンプにガタが来ていることが判明。ものあるものは皆作られた時から崩壊に向けて進んでいくわけだから仕方がないのだけれど、死ぬまでにまだまだ買い換える回数があるのかもしれないと考え込む。
 そうして考えるとうちのオーブン付き電子レンジの寿命は凄い。なにしろもうすでに20年以上動いているのである。多分消費電力量からいうと世の中の環境悪化に大貢献状況の機械なんだと思う。しかし、壊れないのである。イニシャルのコストが直に家計にダメージを及ぼす状況から考えると動くのに、買い換える気にはならない。
 なんでもそうだけれど、開発されて間もない機械は格好はダサイし、機能的にも多機能になっていないけれど、設計的には耐久性の限界が分かっていないからなのか、壊れない。ところが成熟してきた機械類になると格好は良くなるし、機能としては、こんなことまで一緒にしなくても良いよ、というほど多機能。ところが壊れるのが早い様な気がする。これは経験的な判断でしかないけれど、多分正しい見解かもしれない。つまり、(わが国特有の考えかもしれないけれど)経済性を狙うということはそういうことなんだろう。買いたくなる仕様、安値、保証期間内は持つけれどそれを過ぎたらすぐにでも壊れたって良い、という。むしろできる限り不自然でない期間で壊れてくれないと困るという。
 Sで始まる家電メーカーのものは本当に微妙な期間で壊れると私の友人の中では定評だったのだけれど、案の定私たちの仲間内だけの評判ではなかったようである。
 つまり、そうした企業倫理が当然のこととして通用しているのがこの国だし、これはあくまでもこの国の文化なんだと思う。この国の中で一生暮らすわけだからこうした環境で暮らすことに誰も疑問を見いださなくても良いんだし、これを超えた、あるいは逸脱した価値観、倫理観、敢えていってしまえば正義感なんてものはよけいな知識であり、不必要なものなんだというのが通念じゃないのかな。
 どんどん外に行って、ただ単なる観光スピード旅行ではない、外での暮らしを若い人たちに経験させてしまったら、この通念がおかしいことに気づいてしまうだろう。だから、できるだけそんなことをしないように、この国の中の教育システムを閉鎖的なものにし、そのシステムからはずれてしまった、あるいは積極的にはずれた人は、この国の中枢機関から排除するようにし続けることがこの国には重要なんだな。だから、もし、そんな経路をたどって自らの才能を開花させた人がいても、それはサブ・カルチャーの中に閉じこめておかなくちゃならんわけだ。ふむふむ。うまいことできているんだなぁ、この国も。