ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

銀座松屋古本市

 わが家のメンバーはそれぞれ風邪後遺症を抱えているようで、このままにしておくと自分も外に出ずに終わってしまいそうであり、銀座松屋の古本市を冷やかしにいく。地下鉄の中はそうでもなかったけれど、おりてみると通りといわずデパートの中といわず、それはそれは大変な人混みである。若い人たちまでなにやら大きな紙袋をぶら下げている。そのままエレベーターに乗ってくるのはよいけれど、他の人のスペースも作ってあげる余裕があればよりいうことはないのだが。
 8階の催事場では古九谷の催し物もあるせいか、でている古本屋さんも美術系や古典芸能系、あるいは古地図系の店が多いのか、私が興味を持つものは非常に限定的であった。昨年末の松坂屋とは大違い。特に私にとって美味しい文庫の類がここでは全くなかった。出展料が高いからそんなものを置いても間尺に合わない、なんということがあるのだろうか。
 それでも4点入手。

  • 「踏みにじられた魂 私は多重人格だった」Joan Frances Casey、竹内和世訳、白揚社、1994 幼児期から三十歳近くまで24の人格を抱えていたご本人の話である。
  • 「日系カナダ人女性の生活史 南アルバータ日系人社会に生まれて」村井忠政著、明石書店、2000 レスブリッジ大学の客員教授として現地に滞在した著者が、モルモンが築いた町レイモンドに1914年に生まれた日系二世の女性にインタビューしたいわゆる口述史である。
  • 「エイジズム 高齢者差別の実装と克服の展望」Erdman. B. Palmore著、鈴木研一訳、明石書店、2002
  • 「国際協力論を学ぶ人のために」内海成治編、世界思想社、2005:「〜を学ぶ人のために」シリーズ。この一連のシリーズは入門編としてはなかなか捨てがたいものがあって、結構重宝している。企業と相互関係にある成治屋、官僚とがよってたかって利権の巣窟にしてしまった日本のいわゆる「国際協力」ではなくて、本来的なSocial Developmentとしての国際協力に気づく若者、そして市民グループに期待する「これからの国際協力」をどうとらえていくかを整理づけていきたい。そのはじまり。

 デパートから出ると雨が上がっていて西の空からお日さまが東の空を照らしている。気がつかなかったが、ひょっとしたら東の空に虹が架かったかも知れない。角のデパートの地下に入って、外がぱりぱりのパンと多くの種類の野菜が入ったサラダを買う。高いのだけれども、家で作ったらもっと高くつく。だから、こんな贅沢なものを食べなければよいのであるが、一度食べたことがあって、やみつきになってしまった。まずい傾向である。