ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

落語

 今日は国立演芸場に出かける。第287回国立名人会である。橘家文左衛門が出てくるなり「名人会なるものも既に287回ってんです。そこまでやりゃ名人も出尽くしたでしょ?今日だったらさしずめ誰だってんですぅ?」と生意気を飛ばしやがる。場内満席である。演芸場の前(本当にあそこは殺風景だよなぁ、日本橋の高速道路がどうのこうの云っているけれど、あすこなんてなんだか留置場に連れて行かれる途中に見るような案配)に「満員御礼」の札が出ていた。そうか、こっちもこんな札があるんだね。あいかわらずの平均年齢の高さに、若手のこちらとしては意識せずとも背筋が伸びようというものだ。
 馬の助の佐野山は聞いたことがないだろうと思っていたけれど、話に入ってすぐに分かった。誰で聞いたかもう忘れているけれど、確かに聞いている。しかし、馬の助の相撲知識はなかなかなものだなぁと嬉しいね。先代の馬の助と比べるともう一つのハナがないけれども、地道さが感じられて他の話も聞いてみたいな、と思わせる。それにしても「ナセルはアラブで死んじゃった」はないだろう。
 金馬さんのお若伊之助はさすがのもので、やっぱりベテランの味というものは大きなものがあるなぁとほとほと感心した。そりゃ圓生や彦六のような味とは違うが、金馬らしい頭(かしら)が登場する。もうお歳は77歳の喜寿なんだそうだ。「幼稚園の頃小金馬さんの時のお笑い三人組を見ていました、という方がもう禿げてんですから、そりゃしょうがないんですが・・」という。そういえば私も小学校に上がったか上がっていないかの頃に東神奈川駅前のスケート場で真夏にお笑い三人組のラジオの公開放送があって、それを聴きに行った覚えがある。それにしてもお元気である。
 金馬さんの前は小菊さんだった。ここのところ小菊さんとは結構遭遇する。昨年暮れの永さんの紀伊國屋ホールでもお伺いしているのだ。小菊さんの旦那さんは吉川潮。なんだかんだと寄席がらみのことをいろいろ書いている作家である。多分学校が同じ。そして、多分、友達のクラスにいたあの男のことだと思う。全く確信なし。