もう一つ気になっていることであるけれど、命令放送という行為が存在するとは思いもしなかった。確かに上記民主党の森議員の質問に対して菅総務大臣が言及していたけれど、朝日新聞（061013）によれば「総務相が事項を指定して放送を命じることができる。実際に対象になっているのは、同制度に基づき制作費の一部に国費が投じられているＮＨＫの短波ラジオ国際放送のみ」「これまでの命令は、ＮＨＫの自主性を尊重するため、「時事」「国の重要な政策」「国際問題に関する政府の見解」といった大枠にとどめ、具体的な放送内容に口出ししてこなかった」ということである。
「拉致関連放送としては、拉致問題を調べている「特定失踪者問題調査会」が、北朝鮮向けに短波ラジオ放送「しおかぜ」を英放送配信会社に委託して拉致被害者家族のメッセージなどを放送」「しかし、（北朝鮮国内からと認められる）妨害電波とみられる通信に見舞われ」ているのだそうだ。もし、NHKに対してそのようなことが行われるのだとすると、それは受信料で成り立っている放送機関に対し、政府が具体的な放送の中身までを指導することとして踏み込むと云うことになる。多分この程度のことをいちいち問題視して、あげつらうんじゃないという発言が今だったらすぐに出てくることだろう。しかし、ひとつ油断をしたらそこから歯止めがどんどんなくなるということはもう既に方々であからさまに見られている状況である。もう遅いかも知れないが、それでも少しは押しとどめなくてはならないと思う。
