ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

CBSドキュメント

 午前1時55分からの放送で今日はタイミングよく目が覚めたのでじっくり見ることができた。それにしても元の番組がCBSの「60minutes」であることはピーター・バラカン吉川美代子も触れているのだけれども、どうしてこの番組ではそういうタイトルではなくてこんなタイトルになっているのだろうか。オーストラリアのテレビ局でもこの「60minutes」というタイトルの番組があるが、これは全くCBSの同名番組とは違っていて中身は純粋にオーストラリアの番組である。
 さて、今日の放送はこれまで放送していた番組の中からのピックアップ版だという断りがあったけれども、ひょっとすると日本語版の制作サイクルから行くと丁度年末年始の番組がとぎれるあたりに相当するのかも知れない。中身は地球温暖化の問題と、白血病でなくなったインタビュアー、Ed Bradleyを偲ぶという意味も含めて1995年のトニー・ベネットのインタビューであった。

地球温暖化

 地球温暖化についてはNASAの研究者、James Hansenの研究論文が当局の手によって大幅に検閲されているという話である。驚くことに彼のインタビュー現場にはNASAの関係者が同席していて問題発言がない様にチェックまでしているというのである。1941年、アイオワ生まれ。この番組では他にも北極圏の氷を観察している研究者、ホッキョクグマの生態を研究している研究者等が登場し、確実に地球上の温暖化は進行し、極圏ではその速度方の地域に比べて早く、この地域の研究はその後の地球全体を予測することができるという。そうであってもブッシュ政権は全くこの分野の研究論文をそのままに発表させることを阻止しているという。
 そりゃそうだろう。ブッシュ政権の根幹、彼の依って来たるところはエネルギー産業だからである。今、たった今温暖化ガスの排出をやめたとしても全くストップすることができるわけではない、というところまで来た。このままでは百年後には海面は約1メートル上昇するだろうといわれている。そうであったとしても今現在企業経営者としてわが世を謳歌している人間にとってはその時代の地球には絶対に存在していないわけで、儲けることをやめる論理が存在しない、とでも云うところだろう。そして、中国を始め先進諸国が謳歌したと同じ消費社会をこれからエンジョイしようとする各国が、そうはいってももうそんなことしていたら地球がダメになっちゃうから、と説得したって聞く耳を持つわけがない。ということはつまり私たち人類はこのままのんべんだらりと惰性で、この地球を食い潰すということなんだろう。かく言うこの私に至っては夜中に電力を消費して相変わらず平気で温暖化ガスの排出を続けている。尤も、日本のエネルギー政策も電力会社のデーター改ざんもまったくベクトルは反対側に向いて突っ走っている。挙げ句の果てに「石油の値段が上がっても電気代が上がらないのは他のソース(原子力だと言明しないところが素晴らしい!)が機能しているからだといわんばかりのキャンペーンを流している。超有名な漫画家ふたりがこのキャンペーンに尽力しているが金ができると余計そっち方面に力を貸す様になるというのは世の中の常なるか。
 番組後、アル・ゴアで話題になっている映画"An Inconvenient Truth"(不都合な真実)について紹介していた。アル・ゴアは次期大統領選に出馬しないかという話に対してはきっぱりと否定しているのだそうだ。この映画は今月20日から日本でも大手映画会社の配給で上映されている。1月15日に朝日ホールでのプレミア上映会でアル・ゴアが舞台挨拶したとは知らなかった(JANJAN)。

Tony Bennett

 最後は、トニー・ベネットであるが、この12年前のインタビュー時に彼はUnplagedというタイトルのアルバムを出した。この頃、アンプラグドが流行し、エリック・クラプトンもそんなアルバムを出している。そしてトニー・ベネットのこのアルバムも大ヒットした。この時のインタビューでEd BradleyはTony Bennettに「70年代はドラッグに苦しんだそうですね」と聞く。するとTonyは「誰がそんなことをいったんだ?」と聞く。前の奥さんからだと聞くと、そりゃ復讐だよと返す。ところが実はそれは事実で、その後に新しくTonyが買ったアパートを見にいく場面でこれを切り出す。すると「子どものことを考えてやめた。子どもは親を見て育つからね」という。後で、ここについてEd Bradleyもスタッフのストリーターも、Tonyが否定したからとそのままで終わらせるわけにはいかないという。それがプロのインタビュアーの仕事だと。後で吉川美代子がTony Bennettの新しいCD、「デュエット」を紹介していた。
 やっぱり天気予報が当たっているらしくて、明け方になるととても寒くなってきた。ちょっと昨日が暖かすぎた。