ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

8568歩

 思い立って申告を済ます。どうせならと税務署までの道を歩く。年に一度ここを歩く。年に一度だから行きすぎてしまって、似た様な景色に欺されながら戻ってくる。いつもの年と随分雰囲気が違う。いつもは大部屋でワァワァになっているというのに、今年は相談の部屋は人が4-5人いて落ち着いて教えてくれる。eなんたらが普及しているとは思わないけれど。
 どうせここまで来たんだからとあれはどこにあるんだろう、これはあっちかと歩く。前にしっかり食べたランチの店の前に来ると折良く旦那がランチのメニュー看板を外に吊したところだった。しかし、たっぷりしたランチだったのを思い出して、柳橋にまわる。
 鶏やさんの横に子猫が4匹チョロチョロとしているので写真にしたりしていたら、前にテレビで見たお店も発見。しかし、その気にもなれず、浅草橋の駅まで戻る。
 あそこのガード沿いの通りはそのまま時間が止まってしまっている。商店も和風履物屋さんだとか、なんでも雑貨店とかがそのまま残っている。あとは昼はランチ/夜は飲み屋の店ばかり。
 確かここに餃子の王将があったはずだと捜して入る。餃子12個+サラダ+中華スープ+たくわんで税込み714円。今となっては格安というわけではない。しかもご飯は軟らかいという表現を超え、サラダは巧い具合に拡げてあるんだけれど、そもそも取り合わせとしては気が利いてない。そりゃそんなことを云っちゃったら可哀想だろう、という物である。一人で食べるランチとしては気に入らないが外で食べる餃子は久しぶりだった。
 帰り道は本屋に立ち寄り、「論座 4月号」を入手。朝日選書から「占領期の朝日新聞と戦争責任」が今月発刊されることを知る。

Willie Nelson

 レンタルビデオ屋に入ってまずWillie Nelsonの「Stardust-Remaster」を捜すがやっぱりない。これはHMVのネット上で見付けたのだけれど、入手不可でキャンセルした。さればと「Star Box」を借り出した。以前に図書館で見付けた物と重なる曲もあるのだけれど、異なる曲目もある。彼のこの種のスタンダード物を入れたディスクは一体何種類存在するのだろう。
 レンタルビデオ屋の会員カードはもう随分前に有効期限が切れたままだ。どうすればいいの?と聞いた時のお兄さんは忙しかったのか、なんなのか知らないが、大変につっけんどんで、「ごにゃごにゃ」と口の中でつぶやかれる。「え?これで良いの?』と聞き返すがその返事も「ごにゃごにゃ」だ。年寄りには聞き分けられないんだよ、お若い方。とてもムッとしながらDVDの方へ。

“American Pastime”

 先日初めて知ってこれは見なくてはと思った「アメリカン・パスタイム 俺たちの星条旗 (American Pastime)」を捜す。「ねぇ、検索ってできる?」とお願いした時のこっちのお兄さんはうってかわってとっても面倒見がよい。「アメリカン・パストタイムですかね?」「あ、いや、パスタイムだったと思うけれどなぁ」「じゃ、“アメリカン・パス”で検索してみますよ」とくる。お、いいねぇ。「あるみたいです!」といったら応援のアルバイトを呼ぶ。彼にくっついて捜すが見つからない。するとあらぬ方からさっきのお兄さんが「ありました!」と見付けてくれた。おっ!10本くらいあるじゃないの!Googleで検索してみると2007年というから昨年、ユナイテッドシネマ豊洲で2週間公開されただけなのだそうだ。話題になるわけもない。
 ハワイ生まれの大ベテラン、Seth Sakaiが良い味を出している。確かに実際に10ヶ所くらいあった戦時中の日本人及び日系米国人の強制収容所の実態を語る点では足りないところがいくらも見付けることができるし、何となくぎこちないところが見えてしまったりするけれど、あの時代にあんなことが実際に起きていたのだという点を見据えることは必要だ。そしてその上もっと必要なのは、米国という国はあの事実に対して(何年も経った後になっての話だけれど)きちんと補償をしたということだろう。このDVDのバックグランドも見てみたら、出演している中村雅俊ですら、この事実を知らなかったと語っていることだった。ということは日本でも相当知られていないと云うことなのだろうかと不安になった。
 この映画は全部ユタ州内で撮影したと云うことであった。「Topaz Relocation Center」というのはユタ州の南東140km程のところにあるAbrahamという場所に作られていたのだそうである。Salt Lake Cityに2ヶ月半滞在していた29年前には全くそんなことを考えてもいなかったが、あの当時こうした歴史を知っていたら見に行っていたかもしれない。そういえば今は検索しても全く出てこないが、町はずれにあった日系のご夫婦がやっていた食堂に行った時に多分二世だろうと思われるおじさんに出会ったことを思い出す。

The Queen

 折角ここまで来たんだからともう一本ぐらい借りだしてみたいなぁとぶらぶらする。こうしたところに来た時の常で「あぁ、これも見たいなぁ、あれも見たいなぁ」と思うのだけれど「The Queen」を借りだしてきた。これがとても面白い映画だった。さすがに主演女優がアカデミー賞を取っただけのことはある。そして脚本がとても面白い。実際の話、このストーリーに対して英国皇室が良くクレームをつけなかったものだと途中までは不思議でしょうがなかった。しかし、最後のブレアーとThe Queenとの対話を見ていてなるほど、と納得ができると云っても良い。しかし、もしこれがわが皇室を題材としたものであったとしたらこんな切り口は決して実現しなかったことだろう。何故なりや。クイーンがたった一人で迎えが来るのを待っているあいだに姿を現した14ポイントの角を持つ鹿の話は事実なりや。