ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

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 ひとまわり以上若い友だちが来月結婚パーティーを開くというのでその話に乗ってくれというので、それじゃぁと神保町で落ち合うことにした。すぐに神保町ならといったのは例の小学館の地下の洋食の七條で海老フライを食べたいと思ったからだ。なにしろコレステロールの薬を飲めといわれたくらいだから、自分から食べるわけには行かないけれど、友だちと外であったので致し方なく、選択せざるをえなかったということであれば、しょうがないなぁということに・・・これを誰にいうのかというと、わざわざそんなことを説明しなくてはいけない人はひとりくらいしかいないので、あとは自分で自分を誤魔化すだけなのである。いずれにしろ、旨かったのだ。しかも、午後1時半の約束だったから腹も減っていて、その旨さといったらひとしおなのである。あそこの地下には長崎皿うどんもあるし、他の洋食屋もあって良い環境だなぁ。
 その友だちとは神保町と来ればここしかないだろうというところでお茶をしながら話をしようというので、当然ながらということで「さぼうる」にはいった。実ははじめてなんである。この歳になって、しかも、神保町なんて45年くらい前から来ているというのに、はじめてなんである。
 なかなか面白い話がたくさん聞けて、当日の話題には事欠かなさそうなんだけれど、問題は私があと2週間の間体調管理をキチンとして当日を万全の体調で迎えなくてはならないということである。これが結構今の私にとっては高い壁だったりするのである。なにしろ、眠くなったら寝て、食べたくなったら食べるというこういう精神がそもそもよろしくない。「生活習慣病」という表現は非常に頭に来る表現だと常日頃思っていた。なんだか、如何にも私のような生活を送っている、そんな習慣がいけないんだぞといわれているような気がする。それにしても医者に云われたついでもあるからあと2週間どうにかしてみなくちゃいけない。
 友だちに会う寸前にも、古本屋で探したのだけれど、新潮社の季刊本「考える人」のバックナンバーを捜して歩く。今日の収穫は3, 4, 6, 16号の全部で4冊。多分もっと捜せばあるのだろうけれど、懐が心配なのと、鞄が重いので、それ以上は捜すのを止めた。雑誌専門店に間を置いて見回りに行くことが重要で、やっぱり前回見付けたところ2店で見付けた。そもそもこの雑誌の発行部数というのはどれほどのものなんだろうか。こういうのを買う人は多分古本屋に売るというタイプの人じゃないのだろうなぁ。昔のメンクラ(婦人画報社のMEN'S CLUB)が並んでいて、見覚えのある表紙を発見。あの雑誌はいつ捨てちゃったんだろうか。もったいないことをしたなぁ。今手元に残っていたらきっと面白いことになっているのに相違ない。
<季刊「考える人」本日の収穫>

  • 3号 特集「エッセイスト伊丹十三がのこしたもの」 私は彼の単行本をどれひとつ持っていない。いやひょっとすると文庫で一冊くらいあるかも知れない。しかし、彼が書くものはずっと「話の特集」で読んでいた。当時の彼はどちらかというと軽いボンボン風で、今話を聴いても相当にボンボン風だったようだ。だから、あんまり気にしていなかったのだけれど、名前を一三から十三にした頃からやたらとマスコミに取り上げられるようになって、あっという間に大家になっていったような気がする。「お葬式」ではじけたという印象だ。
  • 4号 特集 「からだに訊く」故・三木成夫、甲野善紀、田中聡,齋藤孝、南直哉、神谷整子という如何にも芯の通っていそうな人たちを良く次から次に取材したものだ。なんだか、背筋が伸びるような、いやいや、俺は良いからといって寝床にゴロゴロしていようかという気分になる様な・・・。アハハ。
  • 6号 特集「異文化都市「京都」を楽しむ・考える」 「負け犬の遠吠え」の方の酒井順子が東京生まれにもかかわらず書いた京都。
  • 16号 特集「直してつかう」串田孫一堀江敏幸の名前がある。そういわれてみれば今やすぐに壊れるのが当たり前で、日本の電化製品が「この値段だからしょうがないか」と思い始めたのはAIWAの製品が大量に東南アジアから入荷するようになった時からだという気がするけれど、同じような時期に私の周りでは「SONY寿命」ということばが普通に使われるようになった。少しずつ改良しては後継機といって買い換えを喚起し、何度も直してはいつまでも使うということを全く頭の中で考えない次代を創り出した。着るものでも、履くものでも、今やひとつのモデルはあっという間に廃盤になる。あぁ、この靴は良かったなぁと思っても、どこかが傷むと、もはや修理なんてことはしないし、じゃ、同じものといってももうそんなものは創っていない。

 歩かなくてはというので、神田まで歩いて地下鉄で帰る。8,897歩。