ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

kotoba(コトバ) 2016年 秋号

kotoba(コトバ) 2016年 秋号

 集英社が出している季刊雑誌。これまでに、「開高健」の特集号を買ったことがあるくらいだ。ほとんど買ったことがない。しかし、この号の宣伝をたまたま見てしまった。
 特集が「雑誌を哲学する。」というんだが、私にとっては哲学なんてしてくれなくても良いんだけれど、それぞれの雑誌のバックグラウンドがわかればそれが面白い。そして、黒川創が「思想の科学」について書いている。それで買ってみる気になって、いつものように銀座に出た。銀座に出て本屋といったら教文館なんだけれど、教文館に入って二階までもいったにもかかわらず、トイレを借りただけてでてきてしまった。なぜか。どうせなら神保町にいって文庫本を探して、そのついでに買えば良いやという結論に立ったのである。
 そこで、銀座一丁目から有楽町線に乗ってと思って階段をガタガタと降りていったら、有楽町線は神保町に行くには使えやしないではないか。しょうがない、京橋側の階段を上がって京橋から銀座線に乗ろうと思った。
 これがまた、長い、長い階段なのだ。ようやく地上に出たら思わず「ふぅ〜」と長嘆息だ。京橋から銀座線に乗って日本橋から東西線で九段下という手段と、三越前から半蔵門線に乗って神保町という手がある。思わず三越前の乗り換えは歩くなぁと思いついた。結論は九段下から古本屋の並びまで歩くのも結構な距離なのだ。
 九段下から地上に出ると、堀を渡った左手にあった今にも壊れそうだった古いビルはとっくになくなっていて、空き地になっていた。
 なにを食べようとも思わずに歩いていたら嵯峨谷にさしかかる。しかし、まだ午後1時にもなっていないんだから混んでいるんだろうなぁと思って扉を開けたらガラ空きだ。券売機を見たら、ひやむぎという言葉が目についた。こんな立ち食い蕎麦屋で「ひやむぎ」があるとは思わなかったものだからつい、かき揚げひやむぎを買った。来たものを見て驚いた。ぶっかけになってんだもの。それも桶だよ。世の中いろいろだ。実は私はひやむぎが好きだ。
 文庫の古本はいくら何軒も巡っても今日お目当ての小田実の「地図をつくる旅」は見つからない。ついでに「流言・投書の太平洋戦争 (講談社学術文庫)」も見つからない。そうこうしているうちに某書店の店内で、なんだかおかしい揺れを感じて思わず書棚を見ていると、お店のお婆さんが「あら、地震かしら!?」と声を出した。私も「そのようですねぇ」といった。次の店でラジオがかかっていたので、店番のお嬢ちゃんに「震源はどこ?って聞いたら「茨城らしいですよ、驚いちゃいました!」と。
 結局つい手を出してしまったのはこれ。 桐生悠々の本は多分うちにはない。いわずとしれたもと信濃毎日新聞主筆にして「関東防空大演習を嗤う」を書いて陸軍に敢然と真実を突きつけた硬骨の人である。
 結局三省堂で「kotoba」と横にあったこれを買ってしまった。
東京人 2016年 09 月号 [雑誌]

東京人 2016年 09 月号 [雑誌]

 終戦直後の各種写真をこれでもかこれでもかと掲載してある。銀座のクロサワのお坊ちゃんがおんぶされていて歌舞伎座が焼け落ちたのを覚えていると書いている。中央通りに昔はキャンバスの布でできた覆いをかけた露店が並んでいたのを覚えているといったら、つれあいはまだ小さい頃にお店の若い人に連れられて銀座の裏通りにお習字を習いにいっていて、その帰りに森永でアイスクリームが食べられるのが嬉しくていったんだという。えっ!そんな話は初めて聞いたぞ。そもそも昔のことをまったく覚えていなかったじゃないか!ということになった。
 本日:7,780歩