ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

「東京人」4月号

 今月号は特集が「男の品格と心意気 江戸のダンディズム」とあって、当時の「粋」といわれた姿、格好、そして必ずその裏にはあるんだとされる「粋な生き方」てぇものを語るという具合になっておる。それにしても当時の版画や錦絵に描かれている「通人」の姿を見るとなんとも厭みな着物のデレデレ姿でそれはそれは恐れ入る。そんな格好出来ねぇよ、という具合だ。この辺の話になると必ず出てくると映りがよいのは法政大の田中優子先生だ。彼女は今日の「永六輔の土曜ワイド」にも出演して助六をはじめとした「粋」の話をする。この雑誌の中では「いい男の条件。」と題して書いておられる。一方、映りは決して良いとはいえないけれど(申し訳ない)立教大の渡辺憲司先生も、「負け犬の遠吠え」で知られた立教大出身の酒井順子と共に「粋爺」を辿っている。ちなみにオーラルヒストリーの酒井順子は同じく立教大に関係するがこの酒井順子とは別人である。
 渡辺憲司先生はこの号では他でも登場していて、専門の分野で「色道大鏡に見る廓での粋 遊里でモテる男のふるまい。」を書いている。こういう先生についてこの世界を極めてみたい様な気もするが、学問となるときっと江戸期の流れる様に墨でひゃらひゃらと書かれた文献やらを判読しなくちゃならんのかと思うとそりゃもうすっかり憂鬱になってしまうのだ。それにしても今の若い学生たちがこうした辺りをおもしろがって勉強するというのがとても不思議でたまらない。とはいえ、たかだか半世紀もずれちゃいねぇんだから、大してかわりゃしねぇか。