ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

映画

 ブックセンターで「新版日中戦争」(中公新書)を入手(これは家のどこかにある様な気がしないでもないが)。銀座に久しぶりにまわっていつもの様に教文館に顔を突っ込み3週間分の「週刊金曜日」をこれまた入手。いつもの様な値段さえ安ければどうでもいいや的な靴と違う、十年に一度あるかないかできちんと自分の足に合う靴を見付ける。どうやら私の足はこのメーカーのものであればEEの25.0センチもので選べばよいらしい。ところがここのメーカーのものがバーゲンで出回ってもびったりのサイズはなかなか見つからない。どうやら靴業界は大変な再編時期を迎えているらしくてここから先はこれまでに考えられない展開を見せそうだ。札束でほっぺたをひっぱたいての再編になるんじゃないかという噂を聞いた。
 マロニエの花が咲いていた。
 「The Bucket List(邦題 最高の人生の見つけ方)」を丸の内ピカデリー2で見た。
 いくつもの病院のオーナーであるジャック・ニコルソンエドワード)とかつては歴史の先生になりたかったけれど、大学在学中に子どもが生まれて諦め、車の修理工で家族を養ってきた物知りのモーガン・フリーマン(カーター)である。この映画の紹介記事によれば、このふたりが癌を宣告されており、死ぬまでにやりたいと思う項目をリストにして、ニコルソンの金、資産を遣ってあちらこちらに出かけ、その間にいろいろな葛藤があるという話だ。最後はそれはそれでフムフム、である。あちこちに出かけるところの撮影は結構適当に済ましているのだけれど、サファリに出かけ、動物の中をローバーで走るところで彼らは懐かしき「トーケンズ」の「ライオンは寝ている」を大声で唄う(隣のおじさんも一緒になって唄う)。今になってみるとこの辺、あるいは「フォー・シーズンズ」ものなんてのが懐かしくも面白い。誰もカバーしないのなら、誰かに頼んでこの辺を唄いたい。
 そんな話はどうでも良いのだけれど、この映画に頻繁に出てくるのは主演の二人、そして病院のオーナーのアシスタントの若造。そして自動車修理工の奥さん。概ねこの4人で進む映画だと考えて良い。かなりの部分はロケでできているから結構制作費はかかっていない。しかし、この二人の演技もさることながら、なにしろこのシナリオが秀逸だ。発想と展開力が素晴らしい。何度も何度も繰り返すけれど、どうして日本の映画産業にはこれほど単純且つ感銘を与える映画脚本が作られないのだろうか。どうしてその辺の若者に受けようと大根のアイドル的なタレントを連れてくれば良いんだ的な作品なんだろうか。日本の映画産業は出演者優先主義から脱却するつもりがないということなんだろうか。
 金曜日の昼下がりの映画館に客がたっぷり入っているはずがないと思うけれど、確かに半分も入っていなさそうだ。その観客の大半はシニア料金で入っている年代か、50割でも良いんだけれどというシニア年齢の夫婦連れという感じだろうか。その中にあっても20代とおぼしきカップルがいたりすると、なんだか異世代と交流ができた様な気がするから不思議だ。こうした話を本当に理解してくれる若い世代がいたら嬉しいねぇ。
 余命幾ばくもない二人がいよいよやりたいことをしに行こうと出かけるところでエドワードが自家用ジェットの中で取り出す本のタイトルが「SAMURAI」と読める。ちらちらとアマゾンで捜してみると「The Compassionate Samurai: Being Extraordinary in an Ordinary World」という本が見つかる。表紙の雰囲気も彼が手にしていたものに近い。この本のガイドにはこう書いてある。

In life there are two types of people. The first are those who are nice, good-hearted, and compassionate but can't make much happen. The other kind can make everything happen - they're the creators, the go-getters, and the aggressive producers in society - however, they're often self-centered, greedy, and unethical.

まさにこのふたりについて書いてある様な本ではないか。ということでエドワードが手にしていた本はこれで決定だ。それにしてもどうしてここに「SAMURAI」なんだろうか。
 次はこれか。 "The Hottest State(邦題「痛いほどきみが好きなのに」)"。