厚生労働省は結局このシステムを取り入れるに際してケーススタディはなにもやっていないというのがよく分かる。全く新しいシステムを導入するに際してそうした試算をなにもやらずに実施して、結果としてどうなるのかを考えないままだったということはこのシステムがどれほどの効果を示すのかという全体像を捉えていないということになる。そして、与党の修正案を見ると低所得の被保険者の保険料がどれほど安くなるのかと云うことは語られている様だけれど、その結果このシステムがどうなるのかについては語られているのだろうか。それだけ保険料収入が減少する訳で、その部分をどの様にして補充するというのだろうか。それを国庫負担分で充当するのであれば、ますますこれを「社会保険」と呼ぶ理由がますますなくなってくる。国家官僚としてあまりにもお粗末なその仕事ぶりにがっかりしてしまう。昨日の記者会見をテレビで見て、記者から突っ込まれてたじたじとなっている様子を見ているとこんな奴らにこの国を任せているのかと思うと情けない気持ちになってくるけれど、この国のレベルはこの程度のものなんだと自覚するしかないという気にもなってくる。
何度も語られている様に、社会保険として進めていくのであれば、被保険者ができるだけ多いシステムにしてカバーするしかないだろうと思う。「少子高齢化」の中で社会保険形式が将来的に行き詰まる可能性が高い、とするのであれば、後期高齢者に限った保険制度であればますます行き詰まる可能性は高い。となると、応能負担による拠出性しかないと私は思っている。つまり一律の負担率ではなくて、能力に応じての負担率による税方式である。