ほぼ足りてまだ欲 その先

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随意契約

 防衛庁、あ、そうかいつの間にか防衛省になったんだっけ、は随意契約が多いといわれている。その中身は何かというと、艦船、軍用機のメーカーがそんなにない、ということが要因だ。なんでそんなにないのかといったらそんなに仕事が出るわけではないので、その分野に参入する奴がいない、という状況下にある。

造船所事故:建造潜水艦で火花飛び5人やけど 三菱重神戸
 9日午前8時ごろ、神戸市兵庫区和田崎町1の三菱重工業神戸造船所で、事故が起きたと110番があった。建造中の海上自衛隊の潜水艦内で作業をしていた男性作業員5人が全身や顔などにやけどを負い、このうち3人(36〜22歳)が重傷。いずれも意識はあるという。兵庫県警は業務上過失致傷の疑いで調べている。
 県警捜査1課などの調べや造船所によると、この日午前7時ごろ、5人が新型潜水艦「そうりゅう」(排水量2900トン、全長84メートル、幅9.1メートル)内で電気系統の作業中、火花が飛んだという。
 潜水艦は地上の大気を使わずに発電できるエンジンを初搭載し、長時間潜航が可能。2005年3月に着工し、来年3月に完成予定。【米山淳、岩嶋悟】【毎日新聞 2008年7月9日 11時34分(最終更新 7月9日 12時39分)】

 こんな事件があった。で、この事件では三菱重工が消防に火災の通報をしなかった事業所の体制について行政指導を受けていることがわかる。

三菱重工潜水艦事故で神戸市が行政指導へ 産経ニュース2008.7.16 10:56
 三菱重工業神戸造船所(神戸市兵庫区)で今月9日、海上自衛隊潜水艦「そうりゅう」の整備中に感電で5人が重軽傷を負った事故で、神戸市消防局は事故と同時に発生した火災の通報をしなかったとして、同社に対して緊急時のマニュアルの見直しや社員への消防教育の徹底を求める行政指導を行うことを決めた。16日午後、文書で指導する。
 事故の際、火花が散って現場にいた同社社員が消火剤をまくなどしたが、同社は火災の認識はなかったと説明していた。しかし同市消防局は、艦内の焼け跡や社員の証言から火災だったと認定した。

 秘密体制下にあることがよくわかる。多分この事件で三菱重工防衛省から説明を要求されて本社、神戸から急遽市ヶ谷に駆け上がっただろうことが想像される。それでも世界の軍需産業三菱重工が今後潜水艦建造から外されることはとても考えられない。
 潜水艦の建造はこれまでこの三菱重工神戸と川崎重工神戸の2事業所以外では建造されていない。しかも全く正確に一隻おきに三菱と川崎に割り振られている。潜水艦だけではなくて、他の艦船も建造実績を持っている企業は限られている。なぜか。それはそれぞれの分野の艦船を建造し、メインテナンスをするために必要な技術者、施設、文化というものを保全していないとできないからだと説明されている。とはいいつつ肝心な機器については日本のメーカーでできないものもある。そしてそれらの機器については外国のメーカーの供給に言いなりだというのが、どうもレベルに差があるような気がして、そんな大時代的なことをいっていたって、変なところでやられちゃっているんじゃあんまり意味ないんじゃないの、と思うことがままある。
 逆にいうとこうしたシステムが払拭されると世界の軍需産業の日本代表たる三菱重工に何もかも持って行かれちゃうから、むしろこのシステムでそれを阻止できているんだといういい方もできるかも知れない。軍用機にしたって、軍用車両にしたって状況は似たようなものではないだろうか。