ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

民主党 東海比例 衆議院議員 前田雄吉

 日付が変わってから民主党の小沢代表が緊急会見し、前田雄吉議員から、「次の総選挙で民主党の公認を辞退し、出馬しない。党籍を離脱したい」という申し出があり、これを了承したことを明らかにしたそうだ。
 「マルチ商法の業界団体のアドバイザーも務め、国会で業界を擁護する質問を繰り返して」いたという話で、これだけならいかがなものかなぁと思っていたけれど、そうした業界の業務停止命令を受けた企業3社から、2004年から2006年まで合わせて210万円の講演料を彼の資金管理団体などが受け取っていたという話だ。
 その繰り返していた当業界擁護の質問というのがどんなものかと議事録をあたってみた。「前田雄吉の発言」で検索するといくつもあたるが2006年の発言だというのをどこかの記事で見たからその一年間で見たらひとつぶつかった。長いけれど、引用しておく。

衆 - 予算委員会第七分科会 平成18年03月01日
前田分科員民主党前田雄吉です。
 二階大臣におかれましては、中国からお帰りでお疲れのところ、恐縮でございますけれども、三十分いただきまして、御質問させていただきます。
 私も、中国から先週末行ってまいりまして帰ってきて、唐山の人民政府のお招きで、投資環境視察団の団長で行かせていただきました。二階大臣もお気づきでしょうけれども、中国の経済成長はもう本当に目まぐるしいものがありますね。
 そこで、きょうは、我が国におけるネットワークビジネスについて御質問申し上げます。
 中国は、WTOに加盟いたしまして世界標準のビジネスモデルを求める、その中にネットワークビジネスの導入というのがありまして、昨年末に法整備もきちんとされておられました。中国ですらと言ったら言い方が申しわけないですけれども、それに比べて我が国は、このネットワークビジネスに対して、無知、無理解、誤解、偏見、勘違いというものにさいなまれまして、その中で我が国における立法政策がなされてきたというふうに私は思っております。
 アメリカにおきましては、フランチャイズと並んで、ネットワークビジネスは二大ビジネスの一つであります。全米の商工会議所の会頭がアムウェイの会長でありますし、そうしたことでもわかりますように、しっかりと社会的にも認知されているわけであります。
 我が国では、それに比べて、本当に偏見、誤解。と申しますのも、我が国に入りましたときに、いわゆるマネーゲームに使われてしまった、残念な悲しい過去の歴史があります。ですから、今もその誤解、偏見が続いておりまして、私はこれを払拭しなきゃいけない。もちろん、違法なものは厳格に取り締まって、育成すべきものはきちんと育成していくというのが我が国の産業政策で大事ではないかというふうに思っております。
 そこで、毎年、一昨年も昨年も同じ質問をさせていただきました。経済産業省におかれましては、このネットワークビジネスは、何万人の方が従事されて何兆円の産業であるとお考えでしょうか。御質問申し上げます。
迎政府参考人:お答え申し上げます。御指摘のネットワークビジネスというのは、特定商取引法における連鎖販売取引というふうに定義されている取引の形態と思います。この点の連鎖販売取引のみのデータというのは私どもで保有はしておりません。
 一つには、訪問販売協会世界連盟が、アメリカでダイレクトセリングと言われるふうな取引形態、これは訪問販売と連鎖販売取引の数字を合計したものに相当するというふうに思っておりますけれども、日本については、この数字は、2003年のデータとして、約三兆円、携わっている販売員の人は二百万人であるというふうな数字を発表しております。
 私ども、連鎖販売取引のみを区別して集計した統計データを持っておらないので、現時点ではちょっと御紹介できませんが、私どもとしても、現状把握のための調査というのを今実施しておるところでございまして、こういうふうなものがまとまりましたら、そういうふうなある程度のものがわかるのかというふうに考えておるところでございます。

前田分科員:昨年も同じ数字を出されましたね。経済産業省、やはり私はしっかりとお調べいただきたいと思います。現状をまず把握することなしに何の立法政策もできないわけでありますので、きちんとまず現状把握、また来年も私は同じ質問をこの時期にさせていただきますので、きちんと調査して調べていただきたい。
 去年と今お出しになった数字は、私が申し上げたWDSA、世界直販協会、ダイレクト・セリング・アソシエーションの推計値であります。それから、後の三兆円というのは訪販協の出されています数字であります。大体その半分がこのネットワークビジネスではないかというふうに言われておりますけれども、私どもは、この産業は六兆円の八百万人が従事する産業であると考えております。
 それぐらいに成長している産業でありますので、これはきちんと経済産業省におきましても把握していただいて、先ほど、調査というふうに言われました。この調査、私は数週間前にホームページで見つけましたけれども、四百万円の予算で、数週間前に出されたその調査のことですね。ちょっと確かめたいです。

迎政府参考人:調査につきましては、ちょっと予算額は存じませんけれども、公募をいたしまして、委託先として、帝国データバンクに委託をいたしまして、既存のデータ等の収集、補完、あるいはその分析、推計に基づいて、市場規模、従業員数等のマクロデータをまとめ、推計をするというふうな内容のものを今実施しておるところでございます。

前田分科員:私がまた同じ質問をするからといって慌ててこんなことをやられるんじゃなくて、本当に、宣言しますけれども、また来年同じ質問しますからね、きちんとお答えください。
 それから、お願いしておきたいんですけれども、そうした調査をせっかく税金を投入してされるわけですので、結果についてはきちんとすべて開示していただきたいと思いますが、いかがですか。

迎政府参考人:調査の内容につきましては、個別企業のヒアリングの結果とかも含みますので、どういった形で公表するかというのは、得られた結果を見ながら検討してまいりたい、こういうふうに思っております。以上でございます。

前田分科員:もちろん個人情報を出せというわけではありませんので、それ以外の全体的な数字がつかめるもの、このネットワークビジネスにかかわる数字がつかめるものについてはきちんと開示していただきたいと思います。これはどうですか。

迎政府参考人:先ほど申し上げましたように、公表して差し支えないというものはぜひ公表をするという方向で考えたいと思っております。以上でございます。

前田分科員:そうですね。ぜひこの点、まず、基礎的な数字がなければ何も議論できないわけですから、何年も何年もほったらかしであってはいけないと思います。きちんとやってください。
 では、私は、このネットワークビジネス、先ほど申しましたように、非常に、我が国に入ってきて以来、誤解、偏見等が渦巻く中に置かれております。一部の、ごく本当にわずかな悪質な人のために、まじめにこの業で汗を流しておられる方、あるいは納税の義務をきちんと果たしておられる方が迷惑しております。ですから、違法な人は、違法な企業は厳格に取り締まる。これは、私は基本になければいけないと思うんです。でないと、まじめにこの業にいそしまれる方が迷惑をする。
 そこで、私は、警察庁に伺いますけれども、昨年、どのぐらい取り締まられたのか、何人取り締まり、何件あって、何億円その数字が挙がったのか、お聞きしたいと思います。

巽政府参考人:お答えいたします。マルチ商法に係ります事件の昨年の検挙状況といたしましては、特定商取引法違反で一事件五人を検挙したところであります。これは静岡県警察が検挙したものでありますけれども、健康食品等の販売会社が、健康食品等の連鎖販売取引についての契約を締結した後に、その相手方に契約内容を明らかにする書面を交付しなかったというものでありまして、同社は約六百人の会員に対し総額約三億六千万円分の商品を販売していた事件でございました。

前田分科員:それで、この取り締まり実績として何億円挙がったわけですか、お聞きします、再び。

巽政府参考人:ただいま申し上げましたように、六百人の会員に対しまして総額で約三億六千万円分の商品を販売していたということでございます。

前田分科員:確認申し上げました。ですから、先ほど私は、この業態というのは六兆円で八百万人の産業だというふうに申し上げました。これは別に根拠がないわけではないんです。その中で、今警察が取り締まられたのはそれだけであると、ごくわずかでありますので。確かに、私は、警察としては取り締まりにくい業態だとは思います。それはどうしてかというと、やはり定義に困る。
 今までの我が国におけるネットワークビジネスを取り巻く法改正は、この定義の改正の歴史でありました。つまり、このネットワークビジネスとはどういったものであるかという定義の改正をずっとしてきたわけであります。特に平成12年で特定負担の概念を取り払って、すべて一つの定義に入れてしまいました。つまり一本化したわけでありますけれども、そのために、規制すべきビジネス形態と育成すべきビジネス形態をどう峻別するべきかということがあいまいになってしまったわけであります。この区別を経済産業省においては今後政策にどのように生かされるのかを御質問申し上げたいと思います。

迎政府参考人連鎖販売取引の定義の改正というのは、御指摘のように、平成12年に法律の改正を行いまして特定負担の下限を廃止したわけでございます。これは、契約上の負担額を従来の二万円というふうなものが決まっていたものを二万円未満にしながら規制逃れをして高額負担を負わせるようなものが、いわゆる脱法が出てきたというふうなことで定義を改正したわけでございます。
 ただ、そもそも、連鎖販売取引の法律の対象になったから、これがいいとか悪いとか、こういうふうなことではないというふうに私ども考えておりまして、定義に当たっても、これは、販売組織や個人販売員の活動が、法律に従って適正に行われていれば、必ずしも問題が生ずるわけではないわけでございます。
 したがいまして、私どもとしては、現実に、そうはいいましても、トラブルを起こしている事業者もいるというふうなことで、法に違反する悪質事業者を排除する、それで連鎖販売取引の公正確保を図っていくというふうなことが重要であると思っておりまして、警察の取り締まりのほかに、私どもも行政権限として今年度には既に二件について業務停止命令を行い、十件については改善の指示を行っているところでありまして、引き続き法に違反する悪質事業者の排除には力を入れていきたい、こういうふうに考えております。

前田分科員:やはり、まず、定義いかんによっては悪質な事業者とみなすべき業態も大きく変わってくるわけでありますので、きちんともう一度この定義を見直していただいて、悪質なものは取り締まる、そうでないものはきちんと評価して育てるというのは、私は産業政策の基本であると思っております。
 さらにまた加えますと、連鎖販売ということで規制をかけると、問題のある悪質なマルチ商法も健全なネットワークビジネスも同じように規制されてしまう。また逆に、育成しようとする場合も、健全なネットワークビジネスも悪質なマルチ商法もこれまた育成されてしまうという非常に自己矛盾を来すようなことに陥ってしまいますので、私は定義の問題は軽視しちゃいけないと思います。ですから、きちんともう一回この定義も省内でまたお考えいただいて、この定義の仕方でいかようにも、健全なものであるか、あるいは悪質なものであるかという区別がされるわけでありますので、この点をきちんとこれからの行政に生かしていただきたい。これについてまたどう思われますか、再び。

迎政府参考人:定義ということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、実態として特定負担というものを決めるというふうなことが脱法行為を生んだというふうな事実がございます。
 それで、連鎖販売取引というのは、個人を販売員として勧誘をいたしまして、さらにその勧誘された販売員が他の人々を次々に勧誘をして、多段階に組織を拡大するものでございます。上位に上がった会員ほど利益がふえる仕組みというふうなことでございますので、この点において、虚偽説明とか無理な販売勧誘とか、あるいは下位の販売員の過剰在庫といったようなトラブルを発生する誘因を持った取引であることは事実でございます。
 したがって、今申し上げましたような虚偽の説明とかそういったことがないように、法律をしっかり守って、その定義には当たっても、適正に事業をやっていただければこれはトラブル等も生じないわけでございますので、そこのところは、きちっと法律の義務を果たしていただくというふうなことであろうと思っております。

前田分科員:まさしく本当にそのとおりで、きちんと遵法の精神でやっていただきたいというのは当たり前の話です。
 私は、昨年、国民消費生活センター、これの苦情件数のカウントの仕方についてお尋ね申し上げました。そのときに、クーリングオフはどのようにしたらいいですかという問い合わせが、これは苦情か問い合わせか、苦情にカウントされるというのを聞きまして驚いたわけですけれども、こうした苦情件数のカウントのあり方が、その後どのように改正されたのか、一回伺いたいと思います。

田口政府参考人:お答え申し上げます。国民生活センターや各地の消費生活センターに寄せられます消費生活相談でございますが、その内容に応じまして、苦情、問い合わせ、要望と三つに大別されますが、国民生活センターにおいて運営しておりますPIO-NETシステムでございますが、このシステムにおきましては苦情を集計対象とするという扱いになってございます。このPIO-NETシステムに一般的な問い合わせのようなものが入ってくることのないように、昨年四月、国民生活センターから全国の消費生活センターに対しまして通知を行いまして、趣旨の徹底を図っているところでございます。

前田分科員:そのように、単なる問い合わせが苦情にならないように、そうすると、また基礎的な数字が誤るわけですので、きちんと集計していただきたい。相談件数二万件ということですので、これもどのような内容になっているのか、この根拠にもかかわる重要な問題ですので、基準の方、きちんとしていただきたいと思います。
 それから、同じく経済産業省についてお尋ねしますけれども、これは、ネットワークビジネスを取り巻く法制度の問題ですけれども、このネットワークビジネスに加入する入り口のみの規制であると私は思うんですね。さらにまた、正確に言うならば、クーリングオフの制度がありますので、出口についてもちゃんと規制もある。入り口と出口だけで、その間の、このビジネスを健全にどう育成、発展させるのかということが我が国の法制度の中には欠落していると私は思うんですね。
 韓国のように、年間で幾ら以上の負担を強制してはいけないとか、あるいはコミッションがどうだとか、そういうふうに明記してある法体系ではなくて、ネットワークビジネスを取り巻く日本の法制度は、出口と入り口だけで、中間の、実際にその業にいそしむ方のための法律が欠落していると思いますが、この点についていかがお考えでしょうか

西野副大臣:先ほども少し御質問で、答えも一部は出ているかと思いますが、いわゆる連鎖販売取引法の問題だと思います。
 これはもう、迎審議官が説明をいたしましたとおり、組織がとにかくでかくなればそれだけ、端的に言ったら、会員は収入が多い、利益がふえる、こういう仕組みでございますし、ですから、その間には虚偽の説明等があったり、大阪弁で恐縮でございますが、これやったらもうかりまっせ、こういう短絡的な、いわゆる虚偽説明あるいは誇大広告、こういうものが途中であった場合、あるいは書面で十二分な説明がしてなかった場合、そういう場合は、これはルールには違反するわけでございます。
 このあたりの問題は、ずっと以前からそのまま法改正なしに来ておりますが、一昨年、十六年にこの法の改正がありまして、今度は、お示しの退会、出口のときの適正な条件をつけたわけであります。それは、退会のときには、いわば、たまったといいますか預かったといいますか、返品のできないものが多く集まってしまっている、本人に負担がかかってしまっている、こういう場合は、十二分にそれを、取り消しのルールができるような制度にしたとか、退会における未使用品のルールが一部改正をされたわけであります。
 したがいまして、今後、これらの連鎖販売取引等によってはトラブルが比較的起こりやすい状況にあるというふうに私は思っておりますので、現体制の中で、法をしっかりと運営、執行していくように尽くしていくべきだというふうに思っております。

前田分科員:もう本当に、それは副大臣が言われるとおり、法を破る方に対しては、やはり厳格に取り締まるというのが基本です。遵法精神が十分な方、法を守る方については、私は、保護、育成する、その形が必要であると思います。保護、育成すべき基本法がこの業態には必要であるというふうに私は思っております。
 そこで、もう一点。ネットワークビジネスの会社は社会的な差別や偏見にさいなまれています。例えば、公的施設が、セミナールームが借りられないとか。また、特に金融庁にお尋ねしますけれども、これはあくまでもうわさでありますけれども、金融庁において、ネットワークビジネス業界への融資はするなという口頭の指導があるやに伺っておりますけれども、これは事実でしょうか。

山崎政府参考人:お答え申し上げます。一般に、金融機関の融資は適切なリスク管理のもと各金融機関の経営判断に基づいて行われるものでございます。金融庁におきまして、適法に行われる特定のビジネスに関しまして融資をしてはいけないという指導を行っているということはございません。

前田分科員:今、ネットワークビジネスについて、口頭でそんなものはない、金融庁はそんなものは指導していないという言質をきちんと得させていただきました。ありがとうございます。
 今、ネットワークビジネスの話をずっとしてきましたけれども、やはり、世界で認知されている二大ビジネスであります。フランチャイズと並ぶこのネットワークビジネス、きちんと、私は、法を破る者については厳格に取り締まる、この態度が必要だと思います。
 一方、遵法、そして納税の義務をきちんと果たされる皆さんについては、保護、育成すべき基本法が必ず必要であると思っておりますので、今度、きちんと今の現状調査をされた上で、私は答えを出していただきたいと思っております。
 最後になりましたけれども、冠婚葬祭互助会、これについて一問だけ質問させていただきます。
 若い男女が三千円の積立金を出して、これは若い人たちの夢です、前受け金という形で三千円ずつ積み立てて、互助会に預ける。その前受け金をもとに、結婚のときに安く結婚式を上げられるとか、そういう前受け金の制度があります。それが二兆円全国であると言われていますけれども、この不況の中でこの前受け金が食いつぶされる。
 互助会の業界に聞きますと、お互いにつぶれないように、互助の精神に基づいてやっているからと言われますけれども、やはり私は、もしものことがあったら、若い男女の、若い皆さんの夢が消えるわけでありますので、そんなことがあっちゃいけない。ですから、経済産業省として、どのようにこの前受け金の確保についてやられているのか、お答えいただきたいと思います。

西野副大臣:いわゆる互助会の冠婚葬祭の制度ではあるだろうというふうに思っておりますが、これは、事前に積み立てをする、おめでたの結婚式もあれば、逆の葬儀のためのものがある、その役務のいわゆるサービスだと思っております。ですから、掛金が前払い分割であったり、ところが、冠婚葬祭の不幸の方になりますと、実にこれは長いものがあるんですね、いつ来るかわからないわけですからね。こういうものから、消費者の保護のために、積み立て方式で前受け金を保全する措置を実は講じておるわけであります。
 さらには、具体的に申し上げますならば、この互助会自体が許可制となっておりますので、今申し上げた前受け金はおおむね二分の一を保全する義務があるわけでございまして、事業者に対して、それらがしっかりと守られておるかということを立入検査をしたり、改善命令を場合によっては行うことが可能ということになっておるところでございまして、今後とも消費者を保護するためにこれらの仕組みを厳正に指導監督していきたいと思っております。

 なるほど、確かにマルチ産業の観点に立った質問で、ここには「来年も」といっているんだから2007年の議事録もチェックすると出てくるのかも知れない。どこに根拠があるのか知らないが、マルチ産業は日本では「六兆円で八百万人の産業」だというのには驚く。しかし、その実態は裾野では専従でやっている人なんて殆どいないんじゃないのか。主婦が趣味のようにしてやっていたりしているような印象があるけれど、儲けているのは幹部なんじゃないのか。で、その話を聞いて羨望のまなざしを持っていつか自分もと、その気にさせて益々幹部が儲かるというのが仕組みじゃないのか。ネズミ講とどこが違うんだと聞いたら「ちゃんとぶつがあるってところが事業なんだよ」と説明してくれた知人もいたなぁ。

前田雄吉追求、北京大使公邸の温水プール

 ところで、「発言者:前田雄吉」で検索してみたらこんな面白話題も見つけた。

衆 - 行政改革に関する特別委 平成18年04月03日
前田委員民主党前田雄吉です。まず冒頭に、国民の皆さんにとってわかりやすい、極めて、もう本当にあいた口がふさがらない、あきれる税金の無駄遣い、二点挙げさせていただこうかと思います。
 行革の意味は、行政機関をスリム化して、そして税金の無駄遣いを一円たりともさせない、これが行革の意味であると思いますけれども、何と、北京の大使公邸の地下に温水プールがあることが発覚しました。私、モスクワ大使館の百億円の追及もやらせていただきましたけれども、まだこんなことを平然とやっている。この一月から定率減税縮減、サラリーマン大増税、そして四月一日から国民年金の保険料も上がる、国民負担が増大する、その中でこんな無駄遣いがあるんですね。
 外務大臣に予算の分科会のときに私は質問しましたけれども、外務省が、残留孤児の息子さんの原博文さん、四十歳を使ってスパイ活動をさせていた。それで、七年間中国に拘留されていまして、そのとき、最初の一年目は毛布ももらえずに、北京の極寒の刑務所の中にいたんですよ。そのときに、阿南中国大使はのうのうとこの温水プールで泳いでおるわけですね。こんな税金の無駄遣い、許していいんでしょうか。総理、どう思われますか。

麻生国務大臣:今プールの話が出ましたが、委員御記憶かと思いますが、1990年、クウェートで、大量の在留邦人というものがクウェート大使館に逃げ込んだ、逃げ込まざるを得なかったというあの事件を御記憶だと思います。イラクの侵攻であります。そのときに、その多くの在留邦人は、あの地域、水が、水道が極めて限られております中で、無事、取り囲まれながらも生き延びたのはプールのおかげです。あのプールの階に全部いたんです。そして、その人たちは、このプールの水で洗濯をし、いわゆる体を洗う等々、皆、このプールがなければもっと悲惨なことになっていたことは確実です。
 私どもは、そういった点も忘れていただきたくないのであって……(発言する者あり)少なくとも私どもとしてはそうです。基本的には、今申し上げましたとおり、ほかの国を見ましても、カナダ、豪州、イギリス、ドイツ、いずれもそういったものを非常事態のために使っておりまして、防火用水に自動的にこの水が流れていくように全部施設をつくり上げておるというのが実態でございまして、泳いでいる等々、少なくとも、その点だけを取り上げられると、非常事態の点もぜひ御配慮をいただかないと、現地に行かされている者の身にもなっていただかぬといかぬところだと存じます。

前田委員:それだったら、これは公邸です、大使館じゃありませんよ、まず。それから、温水プールである必要はないでしょう、水を使うんだったら。外務大臣には、学校の教室の中で10人に一人は給食費が払えない、そうした子供たちの気持ちがわかるんですか。こんな税金の無駄遣いを許していたら、本当に国民の皆さんの批判の的になりますよ。
 確かにそういう非常時のケースもありましょう、だったらちゃんと、それは温水プールじゃない普通のプールでもいいじゃないですか。それを、こんなものをつくって。モスクワ大使館のときにもそうです。ぜひ私は総理に、これはどういうふうにお考えなのか伺いたい。

小泉内閣総理大臣:私は、プールのみならず、どのような施設を大使館なり大使公邸に置くか、日本国民を代表して外交活動を展開してくれているわけであります。体面もあります。彼らの健康管理もあります。それは、国のあり方あるいは国の活動、それぞれ違うと思いますけれども、大使館としての、館員としての活動のためにどういう施設をつくるか。温水だからだめ、温水にするな、温水でなければいいという問題ではないと。プールもあってもいいと思います。運動施設もあってもいいと思います。それは、日本の外交官に対して、しかるべき活動をしてもらうと。一概にそのような施設がいけないから廃止しろということは言えないのではないか。
 現に、日本は経済大国と言われておりますが、そうでない国にゴルフコースがある首相官邸もあります。別に私がつくれとは言っていませんよ、私はつくってくれると言ったって断りますけれども。
 そういう一国の国会議員、政府の閣僚、首相、大統領、大使館、それについては、その人たちが国民を代表してしっかりとした活動をしていくための施設なり、そういう点は考えてもいいのではないかと私は思っております。

前田委員:では、総理はこの温水プールを容認するわけですか、認めるわけですか。
 私は、国民意識として、この苦しい不況の中、例えばタクシーの運転手さんで二百万円の収入がない方もみえるんですよ。そんな方たちから見て、苦しい生活をしてこられて、一握りのスーパーリッチで、八割以上が、上中下だったら自分の生活は下だと言っている国民の皆さんが多いんですよ。こうした国民感情の中でこうしたものを容認できるんですか、総理。もう一度お願いします。

小泉内閣総理大臣:私は、どれがいい悪いというのは私の口から言う話ではないと思います。大使館員の健康管理なり、あるいは外交官としての活動のためにどのような施設を提供するか、大使がどのような施設が必要と判断するか、それは、私は、一々この施設がいいとか悪いとか言うのは控えたいと思っております。やはり、国民を代表して活動される方々ですから、十分健康的に活動できるような配慮というのは必要ではないかと思っております。ただし、どれがいい、どの施設がいい、そこまで私は答えるつもりはございません。

 どれが良いか、良くないか答えたら良さそうなものだけれど小泉は明らかに逃げた。それにしても驚くのは北京大使公邸(大使館ではない)には温水プールがある(あった?)ということだ。各国にある日本大使館には在クウェート日本大使館と同じようにプールがあって、それは非常用の水確保の目的も兼ねているんだという麻生の回答にも驚いた。大使の体面をつくり、彼らの健康確保のためにも温水プールが必要なんだとする小泉の回答にも大いに呆れかえる。ゴルフコースを持っている首相官邸のある国だってあるわけでそれに比べればかわいいもんだといっている小泉の感覚は今更ながらではあるが、どうしようもない。
 そのひとつひとつは国家予算の中で見たら微々たるものだろう。しかし、外務省管轄の在外公館では公私の混同が報道されている中で、明確に指摘していく必要はあるだろう。こんな感覚だから国連の信託基金を少なくとも4億円近くも放置したりしておけるんだろうなぁ。こういう話を聞くと本当に霞ヶ関は「公僕」なんていう言葉からはほど遠いんだなぁと思ってしまう。
 前田雄吉のおかげでひとつ知ったというのは随分皮肉な話だ。