ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

倫理観の欠如?

 朝方、まだ寝惚けていた時間にラジオのスイッチを入れたらなんだか映画の話らしいんだけれど、ずっと昔を再現したストーリーのようだ。若者が何人かで話している。「しかし、随分今と違うんだよねぇ」「集まって食堂のテーブルに座ったら、4人が4人とも煙草を吹かしていたよねぇ」「まだ、倫理観が発達していない時代だったんだよねぇ」というのだ。
 これを聞いて、時代をその時代の尺度で見て、そしてそれを史実として積み重ねないと歴史を見誤るという教えを思いだした。
 それは倫理観がなかったんじゃなくて、その時代にはそれが別に問題のある行為だとは思わなかったのだし、いや、むしろ自分が煙草を吸うときにそこに居合わせた人に「おひとつ如何ですか?」と勧めるのがその時代の倫理観だったんだよ、と誰かがいってあげてくれないと彼らはあの時代をただ単に「倫理観未発達時代」だったんだという解釈で通り過ぎてしまうということで、それは大間違い。
 太平洋戦争中に少年期を過ごした人たちの多くは「天皇陛下のために命を捧げる」ということは臣民としての間違いのない倫理観だったわけで、彼らが間違った倫理観を自ら確立したのではなくて、そのようにし向けられてきたのだ、という点を見失うと歴史を見誤るのと同じだ。この場合はそのようにし向けてきた社会通念、洗脳集団に問題があったという点を見極めていかなくてはならないのだろう。
 一体いつから喫煙が「悪」という概念がここまで浸透するようになったのだろうか。ほんの10年ぐらいの間ではなかったか。これは何かに通じる状況かも知れないなぁと思う。