ほぼ足りてまだ欲 その先

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インド人留学生の抗議

 どうもオーストラリアでインド系の留学生に対する差別行為があったそうで、先月末からかなり問題になっている。一説によるとメルボルンでは「カレー・バッシング」と呼んで若者たちの間でインド系留学生に対する暴行事件が起きたようだ。
 その後、シドニーでもパラマッタの隣駅の地域で事件が起きている。豪州全体でインドからの留学生はなんと9.5万人にも及ぶといわれていて、そのうちの半分はメルボルンのあるヴィクトリア州だというから多分のこりの半分近くはシドニーがあるNSW州に違いない。
 インド政府はこれを簡単に受け取っていないらしくて公式に抗議をしているという報道がある。インドは当然かつて大英帝国の一植民地だったから豪州とも繋がりは弱いわけではなくて、多くのインド系移民が豪州には存在する。例えばシドニーのcity railの電車の乗り組の殆どはインド系移民だった。問題は簡単な話ではない。その上、豪州は外国からの留学生の誘致についてはわが国なんかに比べようがないくらいに積極的である。それはひとつには立派な産業として自国民に比べて非常に高い授業料を課していて、「Education Industry」と称しているくらいである。その上、IT系にも強いといわれるインド系留学生はオーストラリアに取っては非常に貴重な英語を解する新労働力供給源でもある。
 事件は飛び火しているようでキャンベラでもインド系ではないが、スリ・ランカ系の学生が襲われたりしている。
 思いだしたようにこの種の事件が勃発するのがオーストラリアの常であるが、Sydneyでも新聞記事に書かれているようにこれまでの治安の良さにかまけて、そして人材不足という問題もあって警察力が先進国の中でも弱いことは事実だといえよう。
 そういえばどこの国でもおりますな「嫌ならこの国から出て行けばいいだろう」って云う奴。こういう単純化に乗る奴ってのもいるわけですよ、深く自分で考えることができない、そうすることが苦手な、あるいはそう慣習化されてしまったという類が。