ほぼ足りてまだ欲 その先

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10年

 国旗及び国歌に関する法律というものが成立してから今年でもう10年にもなるんだという話をasahi.comの記事で知った。そうかもうそんなに経つのか、というのが率直な感想だ。この法律は、その制定にあたってどんなことがあったかというのは別にして、文面そのものを見たらこの日本という国の国家は「君が代」というやつで、国旗というのは「日の丸」ってやつだと、いっているだけだ。
 だから、この旗をいついっかどんな時にはどんな具合に掲げなくてはならないとか、それに敬意を払わなくてはならないとか、払わないとどんな目に遭うんだとか、そんなことはこれっぱかりも書かれていない。起立してお辞儀をしなくてはいけないといけないだなんて書かれていないし、起立して歌わないとただ置かないんだぞと書かれているわけではない。ただ、これとこれが国旗で国歌だよと決めているのである。
 法律で決まっている以上、これは国旗でも国歌でもないと否定するはできない。だから私も「君(かつてはこれを誰もが天皇のことであると理解していた)の世の中がいついつまでも永遠に続きますように」という歌が国歌ではないとは主張していない。しかし、心の底から歌詞にあるようにそう願っているのかといったらそうではない。だから歌詞を口にしたいと思っていない。しかし、私はこれを国歌ではないとはしていない。
 しかし、東京都教育委員会は都が雇っている人間はすべからく、どのように本人が歌詞を理解していようと、歌わないとクビにするという方針のようだ。根拠が存在しない。
 法で制定された以上、それを遵守するべきだという言葉を都合のよいときだけ使うのは、どう考えてもずっこい。では片や憲法を無視して平気でいられるのはどうしてなんだ。
 どう考えてもこれは昭和前半にいつの間にか加速されて数多くの国民を無駄死にさせたやり方とつながっている。チャンネル桜系の考え方、あぁした傍若無人さというものはいつまでも残るだろうとは思うけれど、そこに歯止めがかからないのは尋常でない。
 多くの場合、今でもこの社会ではお上のいうことに従えない輩はここから出ていったらいいと平気で投げつけ、「お上はそんなに悪いことをするわけがない」という洗脳から脱することができない。お上は平気で悪いことをする。而して、その「お上」とはいったい誰のことか。