ほぼ足りてまだ欲 その先

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おむすび

 はなはだ勝手な話で、こんなこと人前でいうなよという気もしないではないけれど、思いついちゃったから仕方がないかも。
 今の子どもたち、いや大人もみんなそうかなぁ、可哀相というのか、「おにぎり」「おむすび」といったら殆どの人がコンビーニエンス・ストアで売っているものを思い浮かべるんではないだろうか。
 でも、その昔はおにぎりといったらうちから持っていくものだった。だから、遠足なんかで弁当を持っていくとうちによってそのおにぎりに随分と違いがあった。うちのは普通で、ちょっところっとした三角だった。オフクロが水で湿して塩をざらっとした掌にあっつあつのご飯をへらでひょいと載っけてくるっくるっと廻しながらみるみるうちに三角にしていくのを見ていた。そのまま食べちゃいたいなぁと思ったものだ。
 中には俵のような格好のおにぎりを持ってくる奴もいた。あれはコロッケにしてもなんだか洒落ているような気がした。うちのおにぎりは割烹着を着たオフクロがつくるけれど、そっちはエプロンをした若いお母さんがつくっているような気がした。ただ、単なる思い込みなんだろうけれど。
 長ずるに及んで、若者がまるで昔の漫画に出てくる爆弾のように丸くてしかも海苔を全面に巻いてくる奴がいて、それはそれは感動した。
 かっちりとした三角のおにぎりとフィルムに包まれてご飯に接していない海苔の組み合わせを生まれて初めてコンビーニエンス・ストアで買った時は一体どうやって食べて良いのか、全く見当がつかなかった。
 どんなものを食べてもそういうおにぎりはなんだか味がしないような気がするのはなんでなんだろう。