ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

五反田

 とても久しぶりに五反田に降り立った。東五反田桜田通り沿いに建つビルに所用があって出掛けたのだけれど、通りの様子は全く以前と違っていた。確か、この近辺には公園があったような気がするのだけれど、公園は全くなくなっていて、格好良いビルばかりになっていた。近くにあった関東逓信病院NTT東日本病院になっていた。
 2時間かかって用事が終わり、気がついてみると腹が減って仕方がない。昼飯が早かったからだろう。急にハンバーグステーキのようなものを食べたくなり、電車に乗ってから、そうだ、銀座四丁目のビルの下にある「つばめグリル 銀座コア店」に立ち寄ろうということになった。
 もう何年もここに入ったことがない。最後につばめグリルに入ったのは多分今はなき一丁目のお店だっただろう。私は和風ハンブルグステーキで連れ合いは帆立貝のクリームコロッケである。和風ハンブルグステーキには辛子がついてくる。とんかつじゃないんだからと思った。大根おろしに付いてきたソースを加え、そこにハンバーグをつけて食べる。そして辛子を絡めると、なんとこれがとてつもなく旨い。一体この和風ソースは何からできているのか、そして一体誰がこれに辛子を絡めることを思いついたんだろうか。
 かつて銀座伊東屋に向かって左に「オリンピック」というレストランがあったことを思い出す。あそこの店は確か椅子がモスグリーンのあたかも昔のアメリカのコーヒー・ショップの椅子のような造りだったような気がする。そんな雰囲気を少し思い起こすような椅子の造りなんだけれど、後ろの席の人が背中をどんっともたれさせるとそのままこっちに振動する。
 銀座の表通りもどんどんお店が変わってきてしまって、このままにしていると何もかも忘れていってしまいそうな気がする。
 五反田から東銀座までの電車は丁度椅子が全部塞がっているような状態だった。二人で立って「座り疲れたから丁度良いね」といっていたら、次の駅で随分と席が空いた。どうしようかと思っていると、後ろに座っていた50台のお母さんと20代の娘さんが立ったなぁと思ったら、私たちに「どうぞ」というのである。他にも空いているんだし、なんで譲られたのかよく分からないし、私たちは立っていたかったので、日頃になく「いえ、大丈夫ですから」と遠慮した。いつもだったら「ありがとうございます」といってすぐに座るのに。するとそのお母さんが「いえ、すぐにおりますから」と仰る。しかし、私たちは立っていたい。4人とも立ち尽くす結果となる。その上、私たちが東銀座で降りる時、そのふたりは未だに乗っているのである。すぐ降りなかったのね。「お気遣いをいただき、ありがとうございました」と挨拶して降りたのだけれど、弱ったなぁ。