ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

サンデル先生

 25日にサンデル先生が東大で講義をしたんだそうだ。私は熱に浮かされておった。なにしろ講師はあのサンデル先生だ。殆どその場にいた人たちはあのNHKの講義を見たか、あるいはネット上で見ただろう。まさかサンデル先生のなんたるかを知らずに行った人はいないだろう、というくらいあのサイモンとガーファンクルみたいな、というか歳をとって、知的になったマッケンローみたいな先生は既に有名だ。
 あの人の講義は英語では聴き取れても意味のわからない単語がたくさんあるし、そうかといって日本語のスーパーで読んでいても、吹き替えで聞いてもその日本語の単語そのものが初めてではすぐには理解できない場合がある。予習しておきたい。しかし、今は日本語訳のJUSTICEも本屋には平積みになっているし、ましてや電子書籍でもダウンロードすることだってできる。ところが私は未だに、あの本を開いたこともない。
 その時の様子が今日の朝日新聞に掲載されている。(こちら)これをみると、あたかもあの「白熱教室」を彷彿とさせるように学生がどんどん手を挙げて、どんどん意見を言っているかのように思える。多分、本当にそうだったのだろう。実際の日本の大学の授業で、学生たちが眼をきらきらさせて手を挙げて意見をいうなんて場面がそうしょっちゅうあるのかといったら、そりゃ全然違う。一部の学校では確かにそういう授業もある。そういう学校だと授業前に教室に行くと、前から埋まるから良くわかる。ある学校にいた時に、いくら頑張っても前から4列目以前に席を取れた試しがなかった。おかしいなぁと思ったら、私たちのように目白押しに授業が埋まっている学生ばかりではなくて、上級生や院生が余裕たっぷりにやってきて前を占めていたのだった。きたねぇ奴らだと思った。
 テレビの影響は凄いんだなぁとしみじみ感じた。サンデル先生の授業であったらあんな具合に手を挙げて意見を開陳しても、誰も批判はしないだろうという安心感があるということか。君ら、やろうと思えばやれるじゃないか。
 できることならば、東大なんて学校じゃなくて、私立の都心を離れたどこかの大学でやって欲しかったなぁ。そこでどんなことが起きるのか、見せて欲しかったなり。