10年ほど昔のことだけれど、大学自身が学生に図って「授業評価」を集めるということがまだ広まっていなかった頃、私たちは学内で「学生による授業評価」なんてことをやり出した。最後の授業に押しかけて、先生と交渉をして、最後の20分位を貰ってアンケート用紙を配った。それを回収して春の新学期に一部100円で売ったりした。印刷代を回収しようかと。翌年からは出資者が最低限の印刷費だけを負担して配布した。
学生の中には「学生の分際で先生の授業を批判するのは怪しからん」という意見があったのには驚いた。都の西北の大学ではその時既にHP上でその結果を公表していた。私たちにはそこまでの知識がなかった。それでも3年ほど続いただろうか。しかし、その活動に入ってくれる学生が見つからなくて立ち消えとなった。アンケートの項目については毎年議論を重ねてきた。最初の年には「中には息抜き項目がないとなぁ」といって「先生は動物にたとえるとなんでしょう?」というアイテムを入れて、教師からはさすがにそれはないだろうと顰蹙を浴びた。
そのうちに学校自身がやり出すようになって学生がやる必要がなくなった。私たちがはじめた動機というのは、授業を選ぶのに、サークルにでも入っていればまだしも、新入学生達はなんの情報もないのはどうだろうか、そして真剣に授業を受けたい人たちにとって、とってがっかりする授業を押しつけないようにという気持ちもあった。
自分の先生のお手伝いをして、授業のリアクション・ペーパーの整理をしたりしたけれど、中を読んでいて驚くのは、考え方や理論に対する批判を展開すると「人の悪口を言うな」という反応があることだった。なぁんもわかっていないこんな学生の反応を見ると、こんな学生もいるんだなとがっかりしたものだけれど、それはまさに2chの表現そのものだったりする。