ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

曲と記憶


 私はこの神尾真由子の演奏は聴いたことがないので、申し訳ない引き合いに出しているかもしれないけれど、このチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が流れると、思い出すことがある。
 私が持っているCDはIsaac Stern + The Philadelphia Orchestraであるけれど、これを買ったのはSydneyの北の郊外にあるGordonという街の小さなお店だった。この店が今でも残っているかどうかは知らないけれど、60代後半のおじさんがいつもいて、この人がいない時は30歳前後と覚しき女性が店番をしていた。CDが置いてあるのと同時にピアノの譜面なんかもあって、片隅にはリコーダーが置いてあったりして、クラッシックだけなんだけれど、音楽の店だった。一人で暮らしていた頃には、週末の土曜日は釣りに行っても食べるのは自分ひとりだけだったからそれほど時間もかからず、日曜日は近所の教会に行って来るくらいだったから、芝刈りをしたらほとんどniftyに繋げるためにオフラインで何かを書いているか位だったけれど、あのお店でためつすがめつして格安盤を買ったりしていた。これはアイザック・スターンという名前を聴いたことがあったし、思い切って買ったというくらいの値段だったと思う。あの頃のあの辺りの週末の午後を思い出すのがこの曲なんである。どうも、Googleで検索すると今あの店は駅前に動いたようだけれど、今やそこもインド料理屋になってしまっているらしい。あの辺りも東京と同じように、中華の店とインドの店が増えているみたいだ。
 どうやら私はこの曲とこのCDとあの店にはことのほか思い入れがあるらしく、前にも同じようなことを書いている。