ほぼ足りてまだ欲 その先

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朋あり

 30年前に一緒のプロジェクトで仕事をした5人が、今年定年退職した女性の慰労会を兼ねて集まった。その中には今朝バンコック出張から帰って来たもの、駐在先のインドから仕事の報告で帰国中のもの、仕事先のカナダから休暇帰国中のものがいた。引退して無職が半分。最年長が75歳最年少が60歳。それだのに海外の仕事に未だに従事しているものから話を聞くと、人材が払底しているんだというのだ。
 それを焦る様にして若手を育てようとするものだから、今度の人事異動でインドに派遣される若手がなんと入社3年目と今年の新入社員だというのには驚いた。もうすでに現地で安定している職場で、若手育成のために派遣するというのではない。今から定着のために歯を食いしばってしがみつこうとする時期に西も東もわからない若手を抱えるマネジメントはさぞかし辛いことだろう。これを超えて、巧く定着できたらその達成感は何物にも代え難いものとなるだろうけれど、あまりにもハンデがありすぎる。
 どうしてこんなことが起きたのかというと、やっぱり目先のことにとらわれてこの分野の世代交代をしてこなかったことにもあるし、偏った経営をしてきたからということもあるだろう。この数年で多くの実績を残した世代が引退をし、また企業側も彼等を重たいと見てきたことにも要因がある。
 どうも旧態依然とした企業文化からの脱皮というのはなかなかそううまい具合には行かない様だ。やっぱりこういう時期には生え抜きの経営者にこだわることの弊害を廃するのは難しいのだろうか。
 会社を挙げて就業開始時間の15分前の着席にこだわる労働管理がこの分野の勤労管理としてどんな意味を持つのか、そのために出社時のデーターの管理なんてことに血道を上げることの意味がどこにあるのか、従業員が理解できるのだろうか。従業員というものは放っておくといくらでも働かなくなるものなんだという思想の元に会社を経営している様に見える。しかも、その経営者の周りにはおとなしい学業優秀だった役員を集めている様子を見ると、現場で苦労している良い歳をしたおじ・お爺さん達があまりにも惨めだ。