往年のヴォーカリストが珍しくお店でちゃんと唄うと聞いたので乃木坂のジャズクラブに行った。銀座線を青山一丁目で降りてとことこと六本木方面に向かって歩く。都営住宅は全く変わらないところに建っている。けれど、沿道は全部ビルだらけになっていてそれ以外は全く見知らぬ町にやってきたかのようだ。そもそもそのジャズクラブも17年前にできたというのだから、知るわけもない。辛うじてコーヒーやさん、場所が変わったステーキ屋、ウェディング・ファッション屋くらいしか知っている店がない。かつて「ココパームス」というお店にチョコレート・パイを買いに良く行ったのは何年くらい前だったのかすら思い出せないんだからもうしょうがない。
お目当ては高橋伸寿でバックは正木高宗トリオ。奥まったセットで叩いているのは二本柳守だった。お弟子さんの女性ヴォーカルが4人来ていて代わる代わる唄った。男性客の平均年齢がここでもやっぱり相当高い。尤も若者がやってくるような料金設定じゃない。プレイヤーも歳をとるし、店もこんな設定なんだから、日本のジャズ・シーンがどんどん衰退していくのも仕方がないのかも知れない。めったにこういうところにでかけなくなった。
