ほぼ足りてまだ欲 その先

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原子力安全委員会はどう落とし前を付けるのか

 珍しく産経がやたらと張り切って本件に関する記事を書いている。

 国の原子力安全委員会の作業部会が平成4年、対策が不要な理由を文書で作成するよう電力業界側に指示し、東電が作成した文章をほぼ丸写しした報告書をまとめ、安全指針の改定を見送っていた。
〈中略〉
 会議では、全電源喪失対策を指針に盛り込むことについて、関電が「指針への反映は行き過ぎ」、東電が「(過酷事故の)リスクが特に高いとは思われない」と反発。新たに対策が必要になると設備などでコストが増えるためとみられる。
 これに応じる形で作業部会は平成4年10月、当時の安全委事務局だった科学技術庁原子力安全調査室経由で、東電と関電に「今後も長時間の全電源喪失を考えなくて良い理由を作文してください」と文書で指示。規制当局の安全委が、規制方針にかかわる文書作成を業界側に丸投げした格好だ。(msn産経ニュース2012.6.4 11:30)

 多分多くの決めごとは電力企業が思うように要望して決めていたわけだから、これが特に日常とは違っていない流れだったのであろう事は容易に想像がつく。しかし、いくら何でもこの指示文書はまずいだろうと隠していたということだ。

安全委事務局は「別の業務で忙しく、公開するのを失念していた」と釈明した。(中国新聞2012年6月4日)

安全委の班目春樹委員長は記者会見で「反省したい。明らかに不適切なことをやっていた」と述べた。(時事ドットコム2012/06/04-18:58)

 彼らがこの書類を隠したのはまさに的を射た考えであった。何しろそんな危険があったら大変なことになるから、それに対してどう対策を取るのか、ということについて決めておこうじゃないかという至極まっとうな考えにもかかわらず、その対処法を指導する側が、どうしたら良いんだと指導される側に聴いているのである。挙げ句の果てに「そんなことまで心配しなくても大丈夫だよ、そんなこといったらきりがないじゃん、極端なことをいったら圧力容器が割れたらどうするかシミュレーションをやれみたいな話になるよ、そんなことはありえまっせんっ!」と啖呵を切った。それで霞ヶ関のチキン・ハートが「じゃ、その理由をまとめておいてよ、後々のためにさ」と軽い気持ちでいったんだろうな。
 ところがぎっちょん、本当にそんなことが起きちゃった。
 一体誰が、どんな具合に責任を取って見せてくれるんだよ。今の今まで誰も責任なんて取っちゃいない。それどころか、東電にはどんどん国庫から現金注入している。それにも拘わらず社員にはボーナス出すんだよ。下請け作業員は被爆したままどこに行ったかわからないってのに。
 これがおかしくなくて、一体どこがおかしいっていうんだろうか。菊地直子はもう良いから、こっちの話をちゃんとやれよ。(ところで菊地の逮捕後の写真が流出しているけれど、あれはマスコミの姿勢としてはどうよ。)

 マスコミの腐り加減にはほとほと愛想が尽きているのだけれど、今回のサンケイは一体どうしたんだろうか。実は東京新聞の記者が非番にアルバイトして取材しているんじゃないだろうな。