- 作者: 読売新聞社会部
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1998/09/01
- メディア: 単行本
- クリック: 5回
- この商品を含むブログを見る
『会長はなぜ自殺したか──金融腐敗=呪縛の検証』(1998年、絶版)というこの本は、
証券会社による損失補填の発覚に端を発した金融不祥事の嵐は、銀行、大蔵省から政界にまで及んだ。その渦中で、第一勧業銀行の宮崎邦次元会長、新井将敬代議士をはじめ6名が自殺に追い込まれていった―。彼らを追い詰めたものは、いったい何だったのか。政・官・金融界の癒着、「総会屋」という日本独特の存在など、日本企業社会の歪みを徹底的に暴いた記念碑的ルポルタージュ。(Amazonから引用)
という内容で、2000年に新潮社から文庫にもなっているが、残念ながら既に絶版になっている。ところが七つの森書館という小さな出版社がノンフィクション・シリーズ“人間”その7としてこの本を再出版しようとしていた。Amazon Japanを検索すると今年の5月に出版されることになっていた。しかるに未だに出版されていない。
なぜか。この本の著者は「読売社会部清武班」なんである。あのナベツネを訴えている元巨人軍の清武代表である。彼は社会部の記者からあそこにまで上がってきたという異色な人間だ。七つの森書館が読売と著作権について契約したのは、あの訴訟が起きる前のことだったそうだ。で、今となっては読売はあたかも清武の活躍の成果を出版されることに不快な思いを抱いているらしく「300万円やるから出版を取りやめろ」といってきたのだそうだ。この種の絶版を復活させようという気持ちを持っている出版社がこれで折れるわけがなく、断ると読売はこの小さな社員5人の会社に契約無効の訴えを起こしてきたという。訴訟は読売のような企業にとってはなんということもないのかもしれないけれど、個人や小さな会社にとっては負担はとても大きい。
この件についてジャーナリストの神保哲生が宮台真司を相手に説明している。→こちら。
是非一覧されることをお奨めする。
5月17日の日本外国特派員協会における清武と佐高信の記者会見はかなり興味深いものであるので、ここにリンクしておきたい。→ こちら。
この最後の部分で読売新聞が見解を表明しているが、まったく理解できない見解で、理屈にならない理屈であるということを自らも理解した上で、鉄面皮にも発言しているといういつものやり方である。。
「題材となった事件が約15年も前で関係者のプライバシーや心情を考慮すべきであることや、清武氏が2011年11月、読売巨人軍の取締役として、忠実義務・善管注意義務違反があったため解任されたことなどからです」とコメントしている。
七つの森書館のHPはこちら。