実は眠れない布団の中で時間がカチカチと進むのを確認するのがいやで、そんな時は「もし宝くじが当たったらどんな旅をするか」ということを考えるのが習慣化してきている。昔冗談でいっていた時には「ファーストクラスに乗って」といったことがあるのだけれど、今はそんなことは思わない。今は何しろビジネス・クラスの客席がとても充実しているからビジネスで充分。
問題は泊まるところの話で、その地の一流のホテルというものを知らないし、知っていたとしてもこっちの方が好きだなというものがあったりする。
例えば、Sydneyだったらベイ・ブリッジに近いところ、Rocksのハイアットが一流っていっているけれど、移動のことを考えると電車の駅に近い方がいいなぁと思う。できれば親しみのあるWynyardの駅に近い方がと思うけれど、Radissons Bluよりもどうせなら新しくできたWestinが良いんじゃないかなぁ、なんて考えると時間がいくらあっても先に広げてしまう。実際にはそんなに金があるのなら、不便な人里離れたリゾートにホテルを取って移動はタクシーを多用するとか、車をチャーターするとかしていればいいのに。
で、ふと思ったんだけれど、こんな事をしているとそのうちに誇大妄想狂になってしまって、そんなこと実現なんてしないのにも拘わらず、あちこちいってはこんな話をする爺になってしまうような気がしてきた。
そうならないまでも、この先認知症になった時にこんな事をあたかも自分が経験してきたかのように誰かに語っているような気がするが、そんな時はもう自分のことがわからないのだからそれでも良いことにする。