ほぼ足りてまだ欲 その先

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ええ格好しい

 そういう言葉がある。多分元はといえば関西のもの良いだろう。関東でいえば「かっこつけ」だろうか。「あの野郎、かっこつけやがって」なんぞと表現。
 私もそんな下衆(げす)な輩の一人だから、外に出て行って、知らない土地でも、知った振りを平気でするし、分からなくても分かった振りをしたりして、後始末に往生したりするんだけれど、自分が苦労する分にはそれでもかまやしない。自分で自分の後始末をするんだから。
 それが自分なりの美学だと思ったりしている。しかし、それは現実的ではない。効率的でなんか全くない。こういう考えの人間と、非常に地に足がついて地道に行こうとする人間との間には「絶対的な価値観の相違」というものが厳然と存在するので、わかり合おうとしてもおいそれとはわかり合えるものではない。
 一方はどんなに損をしても良いと思っているわけだし、もう一方は目に見えるほどに明らかならば損をしない方を選択する。一方は今現在のことしか考えていないけれど、もう一方はこのままいったらこの先はこうなるはずだから、いささかでもそうならない方向へ行こうとする。
 これは永久に平行線で、その「ええ格好しい」を世の中ではキリギリスと呼び、もう一方をアリと呼ぶのである。