ほぼ足りてまだ欲 その先

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雑感

 よくよく考えてみると、古本屋という商売は実に不思議な商売だ。大体扱っている商品がもうとっくに出版社や著者の手から離れているというだけではなくて時の流れからも取り残されていたりする。しかし、その分その時代を映し出していたりする。
 写真の撮り方一つだってその時代にはその時代の流行があり、カットだって装丁だって、フォントだってそれぞれ違っている。そんな時代時代の保存庫みたいな感じがする。
 それと同じことをしていると思われるのが図書館なのに対して古本屋にはそこに相場をつけているところが徹底的に違っていて、その相場がそれぞれの店がそうした本に対する思い入れを持っているのかいないのかにかかっているような思いに浸ることができる。
 もはや電子書籍の時代なんだといわれているけれど、古本の世界では全くそんなことは起こらない。分解したら元に戻らないからだ。
 ところがブックオフはその分解したばらばらになった本まで売りさばく。ある意味電子書籍しやすいわけで、図書館から本を借りだしてコピーするのと同じことになる。
 図書館が電子書籍を貸し出したらどういうことになるのかといったらもう古本屋がやっていけなくなるということだ。それでも、出版社、著作者にとっては何も実入りにならないということと同じで、それ以降は全く銭にならんということか。