ほぼ足りてまだ欲 その先

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「共同研究 転向」

 思想の科学が刊行した「共同研究 転向」が東洋文庫から再刊行されていることを先日ここに書いた。あまりの金額に手が出ないものだから、かつての古本をネットで探して発注した。広島の古本屋から発送した旨のメールが来てから中二日で到着。明日はこの支払いに行かなくちゃならない。
 三分冊になっているのだけれど、真ん中の一番分厚い「中」が茶色く焼けていて上巻、下巻はそれほど焼けていない。中巻の持ち主はやたらと鉛筆で囲みやら、印やら書き込みをしたかったらしいのだけれど、それは非常に限定された範囲に過ぎなくて、いったいこの主はどう使ったというのだろうかとはなはだ気になる。鉛筆書き込みが邪魔になってしまうくらい文字が小さいのだ。
 奥付を見ると上巻は昭和45年6月の18版で、中巻は昭和40年3月の8版。下巻は昭和44年6月の9版となっていて、この三冊はそれぞれ別々の道を歩いてきたようだ。
 想像通りに当時の印刷は本当に文字が小さくて、こうなると老眼鏡だけじゃどうにもならなくて、これでは天眼鏡を片手に持っていないと読み進まないだろうという気がする。特に各章の後ろに記載されている注釈は、こういうものはこれくらい小さな字でなくては格好がつかないとでもいわんばかりに思いっきり小さな活字になっていて、とてもとても今の私が読めるようなサイズではない。これは何を意味するのかというと、「若いときに読むべきものは読んでおけ」ということに他ならない。