福島の方々には誠に申し訳ないけれど、福島第一原子力発電所が崩壊してしまって以降、放射線汚染は東日本一帯に広がってしまっていて、これはもうどんなに無視しても、気がつかない振りをしても、現実であることには間違いがない。
一生懸命みんなを絶望の淵に追い込まないために、様々な人たちが「それほど気に病む必要はない」とか「自然界にも当然のごとく放射線はとんでいるわけで、今更言うまでもない」といった慰めを広めようとしている。確かに自然界には地球外からとんでくる放射線もあるし、ちょっと検査をしようといったらレントゲンを撮るわけで、だから、みんなおかしくなっちゃっているのかといったらそんなことはないのが現実だ。しかし、だからといって、これまで「このレベルまで被爆したら危ないからね」といっていた数値をあからさまに拡大しちゃって、だから大丈夫だという論理はその辺の小学生が聞いたって納得できる話じゃない。じゃ、なんであの時はそんな規制値を設定していたのか。それくらい、この設備は安心だと説得していたわけだ。そして後ろを向いて「おい、本当に大丈夫なんだろうな?」といっていたかどうかは知らないけれど、あの業界ではそういう管理をしていると云うことになっていた。
「こりゃ大変だ!」「このまま暮らしていたら、何が起きるかわからない」と政府が画面を通じて公表したらどうなるのかといったら、それはもう想像するだけでもぞっとする。昔映画でみんなが唯一安全な南極に向かってぞろぞろと避難するものがあったような記憶があるのだけれど、正にあれが始まるということだ。しかも、世界中から非難囂々となることだろう。もう日本人はどこにも逃げられなくなるだろう。隠れたつもりでいても、突然「あ、こいつは日本人じゃないか!」とつまはじきにされる。
だから大丈夫だ、といいつづけなくてはならない。だから、気がつかない振りをするしかない。「これで良いのだ!」「だいじょぉ〜ぶい!」といい続けるしかない。
という夢を見て、ぞっとしたなぁ。