散歩

　本日は暖かさに釣られた散歩でございます。ですから、目的というモノがございません。あ、いや、もはや人生そのものに目的なんというモノがあるわけじゃございませんけれど。川っぷちに行ったら何か見るべきものがあるんじゃないかってんでございますが、いやいや、それはなんちゅうこともないんでございます。まずは知っていながらほとんど入ったことのないお寺さんでございます。ここでは大根をお供えするんですが、その大根が一本250円で売ってございます。家から持ってきた大根ではいけないんでしょうかねぇ。この境内に随分綺麗なお庭がございます。知りませんでした。
　以前からございました野球場が何だか随分立派になっておりまして、外野のフェンスなんぞが昔は木造だったのが、ちゃんとコンクリート基礎となっております。教派がイヤを使って、ゲートボールが行われているんですが、何だかかなり真剣な雰囲気が漂っております。町内対抗合戦でも行われているんでしょうか。
　ン？この辺にゴミ集めの基地のようなモノがあったんだが・・と思ったらそれもなくなって公園になっております。暫く参りませんでしたがこんな近所がどんどん変わります。桜の名所になっている公園はまだまだ桜には早すぎますが、三本ばかり、もう既に咲いている桜がございまして、染井吉野よりは小さくて赤っぽい花が咲いております。おかめ桜とか、河津桜なんてところなんでしょうが、外国人観光客の人たちがわぁわぁと大声を出しながら写真にしておいででございます。
　メジロやら鳥が花の蜜を吸うために花をうまい具合にちぎって落としてくれております。それをひとつひとつ拾ってみると、可愛い花です。この公園には懐かしい想い出があります。もう30年以上前、長男がまだよちよちの頃、私が外国へ出稼ぎに行っているときに、連れ合いが奴を連れて良くこの公園に遊びに来たのだそうです。ある日、連れ合いが陽だまりに座って編み物をしながら奴を遊ばせていたら、隣に座っていたおばさんが「あれあれ、あの子はあんな格好になっちゃって！」といったので、ふと目を上げると、そこに映ったのは真っ裸な息子！うわっ！ッてんで押っ取り刀で駆けつけると、奴は「怪獣は洋服なんて着ていない！」といったんだそうです。彼は真剣に怪獣ごっこに取り組んでいたんです。大体、犬に洋服を着せるなんぞは邪道でございますよ。彼の真剣さに学んで欲しいものでございます。
　さて、どこで昼飯を食べようかという話になりまして、近所で有名な洋食屋にしようか、あるいは京橋の洋食屋に行こうかと云っているうちに、今日は暖かいこともあるから近所の蕎麦屋に行こうということになりました。私は温かい汁に入った蕎麦が嫌いで、蕎麦はせいろに決まっているものですから、冬はなかなか食べないのでございます。しかし、今日は頃合いも丁度良いというわけです。
　そして、近頃近所のお茶やさんが、導入した静岡の抹茶ジェラートが大評判で、おかげで年寄りだけじゃなくて若い人たちまでがこっちへ足を運ぶようになったというわけで、これを試しに参りました。美味しうございます。そもそも抹茶アイスクリームがかなり前から市民権を得ておりましたけれど、これでジェラートを造るという発想がございませんでしたねぇ。それまでカフェを造ってみたモノの、一体誰が入っているんだろうといった風情の街のお茶やさんだったのですが、すっかり様変わりしてしまいました。
本日　6,744歩。