原子力発電システムの問題点は何一つとして解決していない。いったん壊れてしまったら、どうやって溶け墜ちた燃料を回収して、周辺を汚染せずに始末をつけるのかという根本的な問題解決策が全く、手つかずになっている。つまりレギュラーな形で収まらないときはどうするのかということについては技術的になにもわかっちゃいないという状態のまま、動かしてきたし、今でも動かしている。
それでなくても、レギュラーな、いわゆる想定してきた形で終焉を迎えたとしても、その「使用済み燃料」をどうするのか、どこに集約してどうやって無害化するのか、という点について解決策を見いだせずにいるままだ、ということが恐ろしい。
その上、このシステムが常に持ち続けている地球上の動植物に致命的な影響を与えるというすさまじいまでの大欠点を抱えたままなのだ。
それをそのままにして、動かし、動かそうとしていることがなぜ極平然と行われているのか。
リスクを全く回避するつもりなんぞなくて、もし何かが起きたら税金で賠償できるようにしておいた電力企業側の周辺住民に対する不遜さというものは、いくら責められても、許されるものではない。