ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

上から下まで

 上が国会議員だとすると、私が住んでいる地域でいうと下は区議会議員だということになる。選挙民からの委託を受けて、その地域の様々なあり方に神経を配って、不都合を見つけて、みんなが暮らしやすいような方策を考えて、ルールを設定する、ということを生業にする。しかし、実際はその作業は公務員に任されていて、やり方やルールを提案されて、初めてそれがどれくらい現実的なのかというのを審理して、決する。
 しかし、ほとんどの選挙民は役所に掛け合うにはなんだか敷居が高くて、多分木で鼻を括った対応に腹が立つだろう、あるいはたらい回しにされるかも知れない、と思っていて、じゃ、近所から出ている議員に知り合いを通して接触してみようとしたりする。地方議会の議員は、優遇される窓口じゃないか、と思っている人だっていそうだ。保育園や老人ホームへ口利きして貰うと便利なところに、列を飛び越して入れてもらえた人がいる、というような噂は絶えない。
 それが選挙で投票する事に対する見返りだ、そりゃ当然だろうと思っている。それは国会議員から、地方議員までみんな選挙民はそう思っている。国会議員に青色申告資格を剥奪されないように百万円包んだってのは典型だろうし、経団連はあからさまにそれを堂々と記者会見でいっているわけだ。
 地方議員選挙に立ったことがある知人がいる。一回は当選した。二回目は当選できなかった。私は一度も選挙運動を手伝わなかったし、もちろん彼に投票もしていない。そういえばそれ以降、彼とは疎遠になりつつある。かつては彼が主催するイベントを諸手を挙げて手伝っていたというのにだ。
 なぜ、それをやらなかったのか。彼が所属して立候補した政党が全く私の信念と外れていたからで、それは私の人生からも当然のことだった。まわりの若い人たちはかつてお世話になってきたから選挙を手伝った。それでも私は全く知らん顔をした。友達だからという理由で自分の人生で培ってきた価値観を曲げるわけにはいかない。それをしたら、これまでの人生を投げ捨てることになる。
 彼が地方議会議員だったときに、彼を知っているんだから、そういう紹介をしてくれないか、といってきた知人もいたけれど、断った。それで失う友人、知人だったら失ってもしょうがない。