どうやら歳をとると声が大きくなる、というのは聴力が低下するだけではないらしい。聴力の検査をすると、ま、年相応です！と医者が言う。それが何を意味するのかがなかなか読み取れないのだけれど、周波数の高い部分は現実に聞き取れなくなってきている。
先日台所の電球からノイズが出ていると家族が言うんだけれど、私には全く聞き取れなかったので、電球を換える必要を覚えなかった。これは結構生活に支障を来す老化だといって良いだろう。
昨日、かつての職場仲間の呑み会があった。現役時代に三人の尊敬すべき上司に恵まれたと書いたことがあるが、そのうちのおひとりのもとで働いた仲間で呑む会だった。全体集会を開く前の幹事会だということになっていたんだけれど、もうこれで良いじゃないかという声もある。その上司は今年もう85-6歳になられるはずで、未だに唄を歌っておいでだという。先生について習っておいでで、年に二回タキシードを着て、発表会をするんだという。この人の声が酔うにつれてどんどん大きくなっていく。いや、そのすさまじいこと。
帰りに寄ったいつものバーで、先に来ていたふたりの老人が旅行の話をしているのだけれど、思わずこっちが「それはねぇ！」とチャチャを入れたくなるほど、大きな声でクルーズの話だとか、どこかの離島の話をしていて、どうしても耳がそっちに行ってしまう。
