ほぼ足りてまだ欲 その先

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風邪ひき

f:id:nsw2072:20200104005629j:plain:w360:left FacebookTwitterのようなSNSを見ていると、年末年始の休みに入るやいなや風邪を引いて寝込んでしまい、結局休みを布団の中で過ごした、という人が何人もいる。不思議とGWやお盆休みに風邪を引く人がいる。かくいう自分も結婚したばかりの頃、年末に大風邪を引き、動けなくなって往診をして貰った挙げ句に、その医者がこのままだと自分がのんびり正月を楽しめなくなっちまうかも知れないと、患者である私を肺炎の恐れがあるといって病院に送り込んだ。その正月休みは二人で、学生時代からの友人たちとスキー場にいることになっていた。電話を枕元まで延ばして貰って、断りの電話をしたことを想い出す。
 正月に病室にいる患者は悲惨なもので、主治医が休みを終えて出てくるまで退院できなかった。元旦にはさすがに病院食が雑煮だった。ところが私のベッドの隣のおじさんは、糖尿病がひどくて、餅の入っていない雑煮だった。彼は夜中にベッドの下に隠し持っていたせんべいをとりだして、ボリバリ食べていた。夜中の見回りに来た看護師にそれを見つけられ、いうことを聞かないのであれば、強制退院させるぞと脅されていた。強制退院と云えば、かつて勤めていた会社にいた同期の東大卒は、緊急入院させられた病院を抜け出して、通い慣れたる新宿ゴールデン街で飲んだくれて強制退院させられたと聞いたことがある。あの会社の採用基準は面白かったのか、いい加減だったのか、今でも良くわからない。何しろ私が働いていたくらいだからなぁ。
 正月休みの入院は元日にはもうすっかり風邪も治っていて、他にやることがないから、屋上へひなたぼっこに行ったりしていた。朝早く目が覚めると美しい景色が非日常の病室の窓から見渡すことができて、あぁ、退院したらあれもやろう、これもやろうと思った。それは20年ほど前に胆嚢摘出した病院に入院中も思った。そしてその時も、退院してからはすぐにそれを忘れて、それまでとなにも変わらない日常に堕していったことだけを想い出す。