私は幼い頃から長いこと喘息持ちだった。一番幼い時の記憶は小学校に入るか入らないかぐらいの年齢の頃のことで、冬の夕刻、みんなと遊び回った挙げ句に坂の下にある家まで坂を駆け下りてきた時に、咳き込んで止まらなかった時だっただろう。
その後はそれほど気にもならず、浪人する頃には煙草なんぞをくゆらしていたんだからたいしたことはなかったような気がする。
社会人になってから、結構風邪を引きやすく、呼吸器系疾患にはかなり悩んできた。まだ20代の頃には正月休みにスキーに行く約束をしていたのに、肺炎を引き起こして入院したことがある。友人のお父さんが小児科医だったので、見てもらっては吸引薬を出してもらっていた。ごまかしごまかしやってきたのだ。
日本から外へ出ていた時も、その吸引薬を必ず持っていった。結構苦しんだ。会社が気を遣ってくれたといえば聞こえは良いが、体力のない奴で、肝心な時に寝込むという風評が立っていたんじゃないかと今から推察できる。尤も能力も低いけれど。
それが、仕事を辞めてからこの方、全く出なくなった。かなりいい加減な生活をしているにもかかわらず、全く出ていないどころか、近頃は風邪も引かない。多分、潜在的な病理が進んでいるんじゃないかとは思うが。
あれはいったい何だったんだろうか。
