ほぼ足りてまだ欲 その先

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ふわふわ

 今の日本の傾向で大いに評価されるのが「ふわふわ」って奴ですかね?あ、もちろん大いに異論はあるとは思うんですが、最近の食パン屋の前の行列を見ると、軟弱子ども味覚が(軟弱だけ余計か?)大受けみたいですよねぇ。おかげで、近頃ではガリゴリのバタールになかなかお目にかからなくなりましたねぇ。ドンクのバタールですら、包丁を入れる時になよなよします。本当は「ゴリゴリ」ッと手応えがなくちゃならないと私は(ここのところ重要)思っておったのです。ナヨナヨになってきてからというもの、美味しいと感じなくなりました。かつてはそんなバタールを愛用しておりましたので、朝ご飯が終わると、上顎が傷だらけ、という状況も珍しくありませんでした。皿うどんが揚げすぎで小学生の歯が欠けた、に至っては思わず笑ってしまったくらいです。そんなに硬かったら、食べるなよ。口から出せよ。多分教室では「残すな!」とか脅かされていたんですかねぇ。
 かつての私も食パン派でした、というか、選択肢として食パンしかありませんでしたからねぇ。朝は食パン一枚をパタンと倒すニクロム線丸見えのトースターで焼き、バターだったかマーガリンだったかを塗り、ソントンのピーナッツバターを塗って食べました。
 かつてイタリアに占領されていたアフリカの某国にいた頃、毎朝通りかかる家の前に、パンの中のふわふわを詰め込んだプラスティック袋が出してあって、あれはなんのためなんだろうと思っていたら、外の皮の部分は食べるけれど、中の部分は美味しくないからあぁやって捨てているんだと聞いて、ビックリ転げてしまいました。なぁにいってんだ、全くパンの食べ方を知らないのか、と思っていたのですが、知らなかったのはこっちの方で、外の方がなんぼか旨いのですね。
 近頃ではなかなか思うようなパンに遭遇しませんで、愛用していたパン屋のバタールは、今やバケットと紛うばかりに細くなり、その上、パンそのものが巧くなくなりました。
 先日千駄木のカフェで食べたサンドイッチが愛想がないのに美味しくて、そのパンもカリッとトーストしてあって美味しいのでなんだろうと思ったら、多分あれがカンパーニュなんですな。でヤマザキがやっている「アルサスローレン」というパン屋のカンパーニュを買ってきたら、これが旨い。包丁を入れている時は確かにナヨナヨなんだけれど、トーストすると、それ相応のカリカリ具合になり、多少上顎刺激する程度にはなる。今はこれが気に入りです。あのヤマザキでもやれば出来るんだと見直したという話です。
 で、なんでみんなそんなお高いふわふわ食パンがお好みなんざしょうという話だったはずなのに。うちの近所にもそういうお店が開店しました。一斤432円だって。