ほぼ足りてまだ欲 その先

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忘れそうだから書いておこう

 1958年か59年のこと。私は静岡の清水にいて、小学校の高学年だった。夏休みはほぼ毎日、父親が勤める会社の健保組合が運営する「海の家」に行っては泳いでいた。行かないのは台風が来た時くらい。それでも翌日にはもう海に行って、たくさん流されてきた流木をかき分けて泳いでいた。
 そんな夏のある週末、父親の職場の同僚の家族とみんなで海の家で涼んでいた。蒟蒻の味噌田楽や、隣の海の家のおでんが旨かった記憶がある。そこで同級生の女の子の親戚だという小さな子が横浜から来ていて、海でひとりでは危ないから見てあげてね、といわれてその気になって手をつないで遊んでいた。帰りのバス停まで歩く時に「どこの幼稚園なの?」と聞いたらその子が「わたしは小学生なのっ!」って怒った。そりゃそうだ、いくら小さいからって、端から幼稚園だといわれたら怒る。あとになって、うちの親の(どちらの時か記憶にないが)葬式の時に、その同級生から、あの時の親戚の女の子が今では結構名の知られている心療内科の医師でいて、女性ジャズボーカリストのあの人だと聞かされた時には、のけぞった。