ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

自分を探す

自分を探しに旅に出る、という話を時として聴きます。
自分は旅先にはいないだろうという気がします。
ここにいるんだよ、ずっと昔から。
自分の実態はどうかといったら、そんなものがあるわけないんだがなぁと思います。
コロコロ変わりますから。
一日の中でもコロコロ変わります。
馬鹿馬鹿しい話に相づちを打っていたり、ひとを騙す人間の話を聴いて、痛く腹が立ったり。
いやらしい話を聴いて、ふと興味を持ったり。
じっと座って、思いを巡らしてみたいもんだ、と思いながらひとときもじっとしていられなかったり。
コロコロ変わります。
頑なに人と接触を持たないでいたいと妙な意地を張ったかと思うと、その意地とは一体何に由来するのかがわからなくなってしまったり。
世の中にこれだけ興味深い本があふれかえっているというのに、あれもこれも読み進めていないのはなにゆえか、なんぞと考えると、いても立ってもいられない。

49年前、こんな押し詰まってきてから結婚お披露目ディナーパーティーを開いたことを思い出しました。
今から考えてみると随分傲慢で、職場の先輩方に強制的に出席せざるを得ない招待状なるものを送りつけて、ご足労を戴いたというのに、お礼状を出す、という発想すら持っていなかったことが今から考えると顔から火が出るほど恥ずかしいのに、今や、その時の出席者の中でおつきあいを戴いている方というのは数えるほどなんですなぁ。謙遜と尊敬の念が全く不足していた若造であったわけです。こうして自分が見つかっちゃうんですね。怖ろしいですねぇ。こっから先の日々は恥ずかしさを思い出しては、うわっ!とかいって過ごすのかも知れませんねぇ。ひょっとしたら自分なんて見つけない方が良いかも知れませんよ。