今日も散歩に出る。
なにしろ空は青空。しかし、北風がピューピュー吹いているが、これでもまだ良い方だそうで、明日はもっと寒いと訊いて慌てて散歩に出た。
今日は思い立ったら、一時間に一本しか来ないバスの時間に間に合いそうだったから、とりあえずバスに乗ってみた。昨日とは逆の方向へ。
そうだ、霊園を散歩しよう、そうすれば、人はいないぞ。
谷中の霊園には、日暮里から入る方法もあるが、このバスなら上野側から入れる。
しかし、バスを降りてふと見ると、寛永寺の境内に見事なイチョウの木があるので、そっちへまず行く。
門を出ようとすると、門のすぐに端正な猫さまがちんまりと、まるでお寺の門番のように座っている。よく考えるとここは北風が遮られて、お陽様ぽかぽかなのだった。
浄名寺の境内にたくさんの小さなお地蔵さんが並んでいるのをバスから見て気になっていたので、そこへ寄る。なんでも四万を超えるお地蔵さんを目指しているんだそうだ。
谷中の霊園というと、徳川慶喜のお墓があるんだとあちこちに書いてある。行ってみると、門が閉まっていて中には入れない。そういえば寛永寺の徳川家のお墓を一度見せて貰ったことがあった。
川上音二郎君の像と書かれた立派な台座があるんだが、像はない。1942年に供出されちゃったんだそうだ。何でもかんでも供出されたんだった。そんな状態で勝てるわきゃないよ。全くバカな戦争に手を出したもんだ。そんな戦争を始めた連中を日本人が裁くことができなかった、裁こうとしなかったわけで、本当にみっともない。彼等を神と崇めてお詣りに行く奴の気が知れない。
平日の霊園は人はいないし、今日は雲ひとつない青空だし、散歩ルートとして申し分ないが、時々、卒塔婆が風に煽られてぶつかり合って、カタカタカタ、カタカタカタと音をたてるのだけは戴けない。これが夜だったら、怖いだろうなぁ。
不忍通りの方へ降りていって、珈琲を買う。すっかりぬるくて、薄くて、少ない上に高い珈琲になっていて、心底がっかりした。
天神下の業務スーパーに入ってみると、ミル付きのヒマラヤン・ソルトが130円でビックリした。