ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

「もう、良いんだ」

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NHK G プロフェッショナル 仕事の流儀 「ここが、私の居場所〜社会起業家・川口加奈〜」を録画していた。
14歳の時から目指して今の事業を興したという31歳の女性の話。ホームレスの人たちの支援のためにシェルターを運営し、相談に乗り、夜回りをして、押しつけがましくなく支えていく。資金源を作ると共に仕事を作るために、シェアサイクル運営に乗り出し、今や年間に5千万円の売上を実現している。なるほど、ホームレスの人たちの多くは自転車を脚にしている。だからそのメインテナンスにノウハウを持つ人もいる。

 総じてホームレスを続ける人は器用ではない。職人として器用ではないというのだけではなくて、喋るにも、人と接するにも、自分を出すということについても、実に器用ではない。口八丁手八丁な人はそれでどうにかなるのかも知れない。「いや、もう良いんだよ」という気持ちを持つ人がいるのも良くわかる。「簡単にクビを切れなければ、人を雇えないんですよ」といった竹中平蔵のような人間の犠牲になって、住み場所から放り出されてしまって、行く先がなくなってしまう人もいる。生活保護を受けたことがあるけれど、その時に役所の人間にイヤな思いをさせられたことがあるからもう行きたくないとトラウマになってしまう人もいる。知的障がいを持ったまま彷徨いざるを得ない人もいる。施設をめぐり巡って気がついたら30歳をとうに過ぎていたという人もいる。そういう人が、自分でなにかを決めるまで辛抱強く見守っていく。

 こういう人たちが社会が本当に必要としているところを見つけ出し、手段を作っていく。彼女とその仲間達は何を支えにしているんだろうか。ここに登場したすべての人たちが、ゆったりした、なんの不安もない、何の苦しみもない生活を望んでいないわけがない。誰だって、暖かいところ、涼しいところでゆっくり暮らしたい。それをできなくしているのは一体何だろうか。彼等の働きがなかったら、どうなるんだろうか。貧困ビジネスがなすがままになってしまうんだろうか。

再放送はNHK総合テレビ 3月22日(火)午前0時05分、つまり21日の夜中です。