ほぼ足りてまだ欲 その先

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現場の警察

袴田巌さんの再審が開始されると聞いて、良かったと思うと同時に、怒りでいっぱいだ。
ずっと前から指摘され続けてきた、味噌樽から見つかったとされる犯人の衣類だとするものが、サイズ的にも、そして経年変化から見ても全く理不尽なものを証拠として半世紀を無為に過ごしてきたことだ。
当時の取り調べの様子がオープンリールのテープに録音されて公開されていたが、その中身を聞くと、証拠の有無なんぞどこ吹く風で、まるでドリフターズのお笑いコントみたいなやり取りが自白を補強する証拠とされていることには驚愕の他ない。

 今ではどうか知らないが、この事件にしても、35年ほど前に私が経験した火災事故にしても、所轄の警察の現場担当者と接してみると、驚くほど個々人のレベルが低かった。論理的な会話ができないくらいは日常茶飯事で、ひどい例では調書のまともな漢字すら書けない担当者がいることにには開いた口が塞がらなかった。検察官や警察のキャリア組はそんなことはないと思うんだけれど、彼らはどんどん転勤していく。現場の中には優秀な人ばかりがいるわけではない。そんな事をいってはなんだが、かつての冤罪が多く生み出されてしまった時代の話を聞くとそんな現場の状況があったであろうと頷ける事件は実は稀ではないのだ。