というか、少なくとも私がでかけていた間は雨。ズボンの裾がびちゃびちゃ。
隣の区から借りだしている本の返済期限が迫っているので、バスで出かける。マスクは自分の判断で、なんて無責任政府が宣言しちゃうものだから、バスの中でもマスクをしないやつが平気でいる。一番遠い空席へ移動する。集合住宅のエレベーターでもマスクをしないバカがいて、そいつが降りてきた箱には乗らずに、やり過ごしてもうひとつの箱に乗る。これでも気休めに過ぎない。
古本屋をひやかしていこうとひとつ手前のバス停で降りてみると、さすがに通りを歩く人は日曜日だというのに少なくて、いい塩梅だと思ったら、よくシラれた喫茶店なんかはお店の中に結構人が入っている。古本屋の前まで来たら、なんと「臨時休業」の紙が張り出してあった。珍しい。何かあったんだろうか。このお店は月・火・水がお休みなので、次は来週の木曜日だ。冷たい雨がそぼ降る中、桜はどの木も満開で、ソメイヨシノも、しだれ桜も、大島桜もどれも満開だという面白い状況なのに、殆ど人が来ないので、実にゆっくり見ることができる。しかし、傘をさしてカメラを構えるんだから、なかなかうまくいかないし、カメラを取り出すのが億劫になる。あぁ、ここを撮ったら面白いかもしれないなと思いながらも、つい無精をする。これではなんのためにカメラをぶら下げているのか意味がない。
ここのところ随分あのカメラで撮ったらもっときれいに映るのかなぁとか、こっちのカメラで撮ったら、もっとぐいっと引き寄せて撮れるのかなぁなんて思っていたけれど、もうそれほど先が長くないんだから、これで良いってことじゃないの、という結論に達しそうだ。
こんな日にぶらぶら散歩しているやつなんてそんな物好きはそれほどいないだろうと思ってぶらぶらするが、ふと気がつくと根津神社の傍あたりでずっと自分の先を同じように小さなかばんを斜めがけにした、同じような年格好の爺さんが行く。その爺さんがバス停でベンチに座るのを見て、あ、勝ったなと思うんだけれど、自分よりどれほどたくさん歩いているのか、知る由もない。
とうとう、道灌山下からバスに乗って帰ってきてしまった。