ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

小田原

 先日、つれあいが頭痛がするといっておりますとFacebookに書いたら、学校の先輩が小田原の「ういろう」がよく効きますよ、と書いてくれたので、通り一遍の「ありがとうございます」を書いたら、信じてないな、と反応が来た。書き文字でもわかってしまうものなのだ。
 だから「そんなことはございません」と書いたんだけれど、それを見せなくちゃというので、急遽新宿から小田急の快速に乗って小田原へいった。一時間半もかかった。優先席に座っていたんだけれど、隣りに座ったのも、向かいに座ったのも、若い人で、その人達は、全くなんの躊躇も見せずに優先席に平然と座る。珍しいことではない。みんな平然と座る。躊躇なんてしない。当たり前だ、という風情であるのが私には意外だった。
 帰り際に秋葉原からつくばエキスプレスに乗ったんだけれどあのプラットフォームはとても深いところにあって、長いエスカレーターに何本か乗る。若い人たちはドスンドスンと音を立てて降りていく。これが爺婆にはとても怖いんだけれど、その年代の人達が気がつくわけがない。挙げ句にヨイショと降りたら、ドスンの女性と当たりそうになった。そうするとその女性は私を変なものを見るような目で見た。どうも世の中おかしい。
 出発間際の電車にひょいと乗ったら、そこがまた優先席の扉だった。長いこと乗るわけではないから、座らなくてもよいのだけれど、座っているとても若い女性、多分20歳そこそこくらい、が足を組んでいる。前に人が立っているのに、降ろさない。私が降りようとすると、その組んだ足がじゃまになる。「ちょっと失礼」といったけれど、通用しないらしくて、組んだ足をそのままにしているので私の足とぶつかった。あ、多分日本語がわからないんだと思うことにした。どうも何かがおかしい。



 さて、小田原だけれども、ものすごく立派な駅になっていて、前の駅を思い出せなくなった。昔の駅は地下道ではなかったか?小田急を降りて、エスカレーターで上に上がると、幅の広い、とてもキレイな自由通路になっていた。JRの改札口の上には大きな小田原提灯が飾ってある。JRの駅ビルが建っていて、地下にも店が広がっている。なんだか川崎の駅ができた頃のような雰囲気だ。つまりJRがあっちもこっちも駅をショッピングセンター化したものだからどこへいってもおんなじ雰囲気がして、楽しくない。
 なにしろ小田原の街中へでたという記憶は殆どない。箱根へはもう数え切れないほど来ているけれど、小田原の街には用事がない。だからましてや小田原城址公園なんて入ったこともない。



 その小田原城址公園を突っ切って、ういろうの店に行き、「ういろう」と妙香散という「ずつう、めまい、のぼせ」に効くという漢方薬を求めた。するとお店の方が「初めてですか?」とお尋ねになる。「はい」と答えると、プラスティックの小さな袋を開けて「こんな匂いなんですが、大丈夫ですか?」と仰るのです。う〜む、確かに相当癖のある匂いですが、そりゃそうでしょう漢方薬なんだから、という匂いである。ひょっとするとうちと同じフロアーの2号室から漏れてくる匂いはこれかもしれないなと。しかし、あそこは幼い子がいる若夫婦なのになぁと不思議なのだ。そういえば帰ってきた時にエレベーターで一緒になった方が同じフロアーのボタンを押した。ようやく3号室の人を見た。今どきの人は引っ越してきても挨拶なんてしないから、下手をすると何ヶ月もどんな人かもわからない。そういえば5号室の人も見たことがないが、部屋の窓が時々細く開いていて、とてもきつい香りが漏れてくる。漢方薬の匂いではなくて、柔軟剤のような匂いだ。

 帰りは流石にじっと座っているのが辛くて、千円余計に払ってロマンスカーに乗った。