ほぼ足りてまだ欲 その先

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神宮外苑再開発計画

どうしてこういう事になっているのかについて、大方潤一郎(おおかた じゅんいちろう)・明治大学特任教授、東京大学名誉教授がビデオ・ニュースで説明してくれている。
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「公園まちづくり制度」という新たな仕組みを導入し、公園区域の一部を削除した上で道路沿いに場所を移すことによって、かなり強引に185メートル、190メートルという超高層ビルの建築を可能にした。

 2013年に創設された「公園まちづくり制度」というのは、都市計画公園の指定区域では2階建てまでしか建てられないため、結果的に密集市街地となっている公園未供用区域の再開発を可能にする目的で作られた制度だった。しかし、神宮外苑の再開発ではその制度が本来の趣旨とは異なる形で利用されている。なぜなら、今回の計画で未供用区域とされたのは、密集市街地などではなく秩父宮ラグビー場だったからだ。

 いったい誰が、どうやってこんな計画を強引に取り決めたのだろうか。政治も絡んでいるのだろうか。東京五輪パラ招致以前から、あたり一帯をスポーツクラスターにするという案が浮上していたことは以前にもお伝えした通りだ。その後、2012年に東京都の担当者が森喜朗元首相にラグビー場と野球場を入れ替える案を説明している。2014年には、今の再開発案の基本形がすでにできあがっていたことが資料等で明らかになっている。
   
 しかし、この再開発案が初めて公になったのは 2018年4月に「東京2020大会後の神宮外苑地区のまちづくり検討会」が設置されてからだ。9月にはパブリックコメントが行われたが、その説明に用いられた資料はあいまいな説明のままだった、と東京大学名誉教授で都市計画が専門の大方潤一郎氏は指摘する。その資料には野球場を示す円はイチョウ並木から離れており、会員制のテニスクラブが絵画館前広場の両側に作られることなどは一切書かれていなかった。

 この計画が東京都の都市計画審議会や環境影響評価審議会で審議されたのは昨年になってからだ。市民や近隣住民はその中身を知らされないまま結論ありきの状態で制度上の形式だけが整えられ、手続きが進められてきた。この一連の経緯をたどると、「民活」の名の下に公的負担をせずに再開発を実現しようとする、貧しい行政と業界の心根が垣間見えると、大方氏は憤る。

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あきらかに開発側の利益と、それに絡む政治家の利権がこの計画を入念な根回しと、いい加減な住民説明(それも入念な根回しのひとつということができよう)で進められてきている。実はジェネコンは解体でも、建設でも設けることができるわけで、諸手を挙げて賛成するわけだ。オリンピック絡み利権もこの開発のオモテウラに見え隠れする。なにが「都民ファースト」だよと緑のたぬきの暗躍も指摘されねばならない。あの時、宇都宮健児都知事になっていたら、これは全くありえない。