ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

一日陽射し現れることなく、殊の外薄ら寒し

 太陽が照らしたのは、もう本当に西の空に沈まんとする頃のことで、それまでは雲が空一面を覆ってどんよりと、あたかも日本海側の冬のような空であった。したがって一歩も家から出ずに、部屋の中にこもって大声を上げて歌を歌っておった。

 尾崎紀世彦の「サマー・ラブ」という歌はブルー・コメッツに加わってサックスやフルートを吹いていた井上忠夫が作曲、なかにし礼作詞。2009年発売。今だったら「セクハラ」といわれてもおかしくないような歌詞で、「君の柔らかな胸に触れながら夢に落ちていく」なんてのは、いまや人前で歌うにはちょっと躊躇する。「膝枕のまま口づけするとちょっと苦しいね」なんて、なんと芸術性のない歌詞だろうか。それでも大声を上げて歌うと精神衛生上は結構気が晴れる。



 文庫本になったのは2015年だが、オリジナルが朝日選書から発売されたのは2000年11月25日である。それなのに、私はこれまでこの本を開いたことがない。なんと迂闊だったことだろう。原武史先生についてはこの頃から聞いていた。新宿の朝日カルチャーセンターで開講されていた保阪正康のレクチャーにゲストとして原武史が登場したのは、ひょっとするとこの本が出版されたからだったのかもしれないが、私はこのレクチャーに参加したばかりで、多分西も東もわからない状態だったのだろう。
 この本の冒頭にも書かれているけれど、大正天皇について書かれた書物というものは民間では殆ど聞いたことがない。原敬日記には詳しいというが、高校生の頃にこの日記のことを聴いて読んでみたいなぁと思ったことはあるが、それ以来、全く手にしたことはない。地元の図書館にも蔵書はなく、いつも行く西隣の区の図書館にもない。こうなったら北隣の区の図書館を使うしかないか。


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 たまたまチャンネルを回していたら、遭遇した。ロビン・ウィリアムスの俳優人生。面白い役者だった。もっとも「Good Morning, Vietnum」以前のことは全く知らない。あれから、いくつも彼の映画は見てきた。「Good Will Hunting」も「Awakenings(レナードの朝)」も「ナイト・ミュージアム」も「パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー」も見たけれど、晩年のことは殆ど知らなかった。いつになったらまた見ごたえのある映画を作ってくれるんだろうかと思っているうちに2014年8月11日に自ら命を断った。死後の解剖でレビー小体型認知症の状況が見られると報告されていた。もう一度いうけれど、面白い役者だった。ダニー・デ・ビートやジャック・ニコルソンとともに好きな役者だった。