夫婦で「ハウルの動く城」を日比谷の映画館でまた「50割引」で見た。先日いった日劇の映画館では何もいわずに売ってくれたんだけれども、ここでは「年齢のわかるものをお見せください」といわれた。反射的に思いっきり免許をぱちん!とその机に置いた。そりゃマニュアルでそう書いてあるとはいえ「この私が40代に見えるとでもいうのかい、お嬢さん?」と聞いてみれば良かった。「もちろんでございますよ、お客様!」とでもいうような反応だったら、ポチ袋のひとつでも帰りにお渡ししようかという位であるが、そんなことを云ったら、きっとむっとされるのであろうと思うのであった。
そんなことを思っていたら、土曜日のラジオで永六輔がやっぱりこの手の話を語っていた。永六輔が(わたしたちが先日訪れた)小金井の江戸東京たてもの園にシニア入場をしようとしたら、年齢を証明するものを持っていなかったのでシニア入場を断られた*1。それ以来健康保険証を持って歩くことにしたと。そこでリスナーの似たような体験の投稿があった。墨田区の江戸東京博物館で、90歳を過ぎた腰の曲がった母親を連れて娘夫婦がいった。ここも65歳以上は無料。ところが、受付の係官は証明するものがないなら切符を買えといったと。しかし、この投稿者は「この方のまじめさに感心しました」とシニカルに語る。
この手の話は往々にして「年寄りはけちくさい」という反応を若い人たちに起こさせる。あるいは経営側もしくは運営側の反応として、それでなくてもサービスしてやっているのに、そうやって図に乗りやがってという発言になって出てくる。表だっては出ては来ないのは当たり前だけれどこうした話は酒の席では平気で語られる。こういう点が民度*2の習熟度なのではないかと私は思う。先日オーストラリアから来た方とお話をしていて、彼の地でのさまざまなシニア・サービスのお話をした。何度も書く様に考えられるほとんどの場面でシニアに対する料金サービスが設定されていることに驚く。さまざまな高齢化社会についての取り組みが後手後手に回る地域では高齢者に対するさまざまなサービスが若年層による負担によって実現するという意識ばかりが浮き彫りになってくる。
映画について何も書かなかったら友人からメール到着。「おもしろかったのか?」と。そこなんですけれどねぇ・・・。のっけから、おっ!さすがジブリだぁ〜!と思わせるキムタク、あ、いや!ハウルの登場!(いや、事実、どうしてもハウルが出てくるとキムタクの顔を思い出しちゃうのである。これ、そういう意味では成功なのか、失敗なのか。)画面の動きもとっても面白いんだけれど、多分何もかも盛り込み過ぎちゃったせいか、ボ〜ッと見ていたらこの映画はついて行けない。ストーリーがありすぎというか、はっきりしなさ過ぎというのか、ふ〜〜んと終わる。美輪先生とあの犬の存在がどうよ。って感じかな。倍賞さんひとり大活躍映画といっておこう。「千と千尋」は面白かったなぁ。